第8話 仲間
「あっ、、新人さんかな?」
ギルドに入ってきた1人の青年を見て感じる。
どうすればいいのか迷っている様だ。
「こちらで申し込みください!」
と手を挙げて伝えると気づいてもらえたのか青年はカウンターへやってくる。
「新規冒険者申込ですか?」
「そうです」
「ではまずはこちらの書類にサインを」
「、、、はい」
青年はこれを見ている。実はこれは第一の試験なのだ。
「あの、、これって、、」
合格だ。
「はい、間違いでございます」
「?」
これが試験であった事を説明する。
冒険者には書類を書く時が必ず訪れる。
たとえばパーティーを組み場合には金額の分担の為に書類が作られる。
騙された後に返せと言っても書類がある限りこちらとしては何もできない。
だからこそ昨年からこの制度を取り入れ見極めているのだ。
「正式には銀貨1枚です」
と正式な書類を渡しまじまじと見た後サインを施した。
「ではこちらの水晶に手をお当てください」
これはステータスを表示する水晶であり、必ず確かめる様にされている。
種族は人間。ステータス、装備に問題なし。レベルは、、1。
スキルは、、、ちょっと怪しい。
「こちらの剣術はどちらで?」
「自分でです。」
「流派の提示をお願いします」
ゾンビ流?
「はい。多分戦う姿がゾンビの様に見えたんだと思います」
という事は脳筋、、という事か。
調べるがゾンビ流と言うのは見当たらない。自己流であっていそうだ。
「ではランクを調べるために試験室へ」
「分かりました」
青年は素直に試験室へ入っていく。
「どうぞ」
ランクは、、とにかくEから行こう。
剣術のランクがあれば、、きっとクリアできる。
ゴブリン10体。ゴブリン長1体。
「余裕そうね、、」
楽々とクリアして見せた。
「じゃあ、、D?」
ゴブリン20体。長が2体。キングが1体。
「レベル1でこれは厳しいか、、」
流石にダメだった様だ。
「ではEランクで登録させていただきます」
「はい」
「才能はあると思いますのできっとBランクに慣れると思いますよ!」
多分Aは無理でしょうけど、、
「では頑張ってください」
早速パーティーに誘われている。
最初からEランクならある程度才能があるので当然の結果だ。
「行こうぜ!」
早速決まったのか彼含め7人でダンジョンへ駆けて行った。
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第一段階の鑑定は逃れた。
念のため足や腕などの装備も外しておいて良かった、、
「行くぞッ!」
パーティーメンバーはDランク2人とEランク5人で俺のみが初ダンジョンである。
挑むのは予想20階層のダンジョンである。
1〜5階層はゴブリンの階層で数もあまり多くないので簡単にクリアできた。
パーティーを組んだ方が良いかと思い入ったが経験値が分散化されるのでレベルが上がらない。やっぱり個人が一番か?
「目指せ10階層だ!」
次は6階層。ゴブリンの数が増えて長が1〜2体やってくる。
ただあの試験にそれぞれが合格しているためこの階層も楽にクリアできた。
「次からはキングが出てくるぞッ!」
現在俺のレベルは4、、今の状態で戦えるか微妙だ。
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ロード種
ステータスポイントは4倍。スキルポイントは2倍になる。
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ロード種になった事でスキルポイントは4レベルでも6もある。
「とにかく回復に積もう」
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回復 LV7
0.1秒で7回復
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これもロード種になった事の特典で回復速度が0.1と早くなっている。
1秒なら70、、バーサーカーの力で最高7倍にできる。
装備の力で俺の攻撃力は345、、それに7倍で2415、、
「殲滅だッ!」
「急にどうした!?」
追加で2倍の4830。新参者が出せる威力ではないだろう。
「グギャッ!」
俺はキングを狙う。こいつが居なくなればあとは簡単だ。
「ギャッ!」
棍棒を振る、、が俺からしてみれば遅い。
「!?」
瞬時に間合いまで潜り込み
バシュッ!
と体を切断する。
「やるじゃないかッ!」
パーティーを組んでいたとしても経験値が一番入るのは倒した本人。
つまり誰よりも倒せば誰よりも手に入るわけだ。
「本当にEランク、、?」
俺はそこにいたゴブリンの半数を倒した。
「行きましょう」
これにより俺のレベルは6。スキルポイントが2も増えた。
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再生 LV3
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念のため再生に振っておいてから8階層へと向かう。
「次は援護します」
流石に全部倒してしまうのは気が引けたので倍率を2倍程度に抑えてギリギリ倒れない様に調節する。
「やった!」
レベルが上がった様だ。
「ありがとうございます」
「いえいえ」
俺は上げようと思えば上げられる。それに感謝を言われるのも悪くない。
レベルは7。再生を1上げて9階層に向かう。
「気をつけろッ!」
「グギギッ、、」
キングが4体、、
「ルベルさん、、2体、、行けますか?」
Dランクにとってもキングがここまで同時に出現するのは予想外だったそうで冷や汗を垂らす。
「任せてください」
倍率は7倍、、
「行くぞッ!」
左足で加速し防御もろとも粉砕する。
「もう一回!」
ザシュッ!
防御をする手段を失ったゴブリンは倒れる。
「、、ギギッ、、」
ここで狂気が入る。LVは10。相手のステータスは2分の1程度になってしまう。
「フンッ!」
次は一撃で倒す事ができた。
「はぁ、、はぁ、、」
その数秒後に彼らも倒し終えた様だ。
だがどう考えても10階層に行ける程ではない。
「一旦引きましょう。今のままでは10階層は、、」
「いや行くッ!」
え、、
「そんな無茶な!」
パーティー長の意見に1人が批判をあげる。
俺以外の全員は疲労しきっている。俺も10階層で全員を守る自信がない。
「でも、、俺は行かなくてはならないッ!」
「なんでそこまで!」
「友人に負けたくな、、あっ」
どうやら本心が出た様だ。
聞くと彼は友人が10階層へ行ったことで煽ってきた事が気に障り10階層にどうしても行きたかったらしい。
「ごめんなさい、、流石に」
全員が引く中彼だけは主張を続ける。
「でも、、ルベルさんが居れば、、」
「、、、」
全員が冷ややかな目を投げる。
完全に俺任せにする気か、、
「それでも俺はいくんだァァァ!」
「ちょっと、、」
Dランクの彼は走って行ってしまった。
「どど、、どうしよう」
と全員が困惑している中俺、ルベルが声を上げる。
「俺は、、一応追いかけます。皆さんは帰還用のポータルで帰ってください」
「でも、、それで、、」
「彼1人なら守れます」
「彼が悪いんですよ!絶対誘ってますよ!」
「、、、行ってくる」
「そうですか」と呟く。
「そこまで言うなら貴方のことを尊敬します。止める気はありません」
しばらくの沈黙の後1人が呟いた。
「では無事帰還できる事、願っております」
帰還用ポータルはすぐ近く。
モンスターが居ないことからも彼らは無事帰れるであろう。
俺は覚悟して彼を追い10階層へ入った。
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