キャラクター作成

GM:Aさん、誕生日おめでとう!


プレイヤーA:ありがとう。これでもう30歳ですよ。早いものだね。


他のプレイヤー:おめでとうございます!


 今回の集まりはプレイヤーAさんの30歳の誕生日を祝って、筆者である青猫あずきが企画したものだ。

 シナリオは「料理コンテストで優勝するため、動物系の魔物を倒して調理する」という魔物メシを題材にしたものを予定していた。


GM:それじゃあ、キャラクターを作成していきましょう。希望の職業はある?


プレイヤーA:最近、パワータイプのキャラクターをやってないから戦士ファイターかな。


プレイヤーB:私は神官プリーストをやりたい。


プレイヤーC:神官か銃手のつもりでしたので、それならマギシューで。


【マギシュー】

 ソード・ワールド2.5は中世ファンタジーより少し発展した世界が舞台だ。

 300年前に滅びた魔法で動く機械を主力とした文明の遺産が遺跡から発掘されることがあり、魔動機銃と呼ばれる魔法で弾丸を飛ばす銃が流通している。

 銃を扱うためには魔動機師マギテック射手シューターの2つの技能を取得する必要があり、これらを合わせて略し、俗にマギシューと呼ぶ。


プレイヤーD:私は獣人リカント格闘家グラップラーを。


プレイヤーE:今回のキャラクター作成レギュレーションは4~5レベル作成ってなってるけど、特化して6レベルにしてもいい?


GM:具体的に何やるか言ってくれれば許可するか考えるよ。


プレイヤーE:騎手ライダー6レベルにして「緑のタヌキ」に乗りたい。


【緑のタヌキ】

 緑色の毛をしたタヌキの姿をした幻獣種の騎獣、エメラルドラクーンのこと。

 妖精魔法に精通し、言葉も喋れる賢い生き物。


GM:おもしろいからやっていいよ。


 やりたい職業が決まったら、能力値ステータスやキャラクターの背景設定をサイコロを振って決めていく。


プレイヤーB:私、高貴な生まれで家族と生き別れになってるんだって。


プレイヤーC:Bさんの種族、エルフでしたよね? 私もエルフなので冒険者として再開した姉妹と言うことにするのはどうでしょう?


プレイヤーB:いいね! 2人で、なんたら家を名乗っていくか~!


プレイヤーA:俺は「誰かを救ったことがある」で。


プレイヤーC:私が「命を助けられたことがある」ですね。


GM:おっ、ここにもPC同士の縁が。


プレイヤーD:自分は基本的にずっと獣変貌の特殊能力で頭部が虎の頭になってるから、がおがおーってリカント語でしか喋れないので余裕ある人はリカント語を習得してくれるとコミュニケーションが取りやすくて助かります。


プレイヤーE:エメラルドラクーン、リカント語いけるよ。


GM:(じゃあ、縁のある3人とリカント語の通じる2人がいて、冒険者パーティとして合流した感じになるのかな)


~~~


GM:それでは、そろそろ設定も固まったかな?


プレイヤーA:できたよ。俺はラスト・ディスケイル。幼馴染と一緒に冒険者になるのが目標だったが、15歳の成人直前である出来事が。住んでいた村が『魔神教団』に襲われてしまったんだ。その時、魔神の魔法から幼馴染をかばって仮死状態になった。俺がいつか戻って来ると信じた幼馴染が一足先に冒険者になったことを聞いたので、幼馴染を追いかけて冒険者の道へ……という感じだ。肉体年齢は16歳だが、仮死状態のまま15年近く眠っていた。


プレイヤーB:私はポーラ・ククルアレ。高貴なエルフの家に生まれたんだけど、幼少期を過ごした辺境領の村が『魔神教団』に襲われて家族と生き別れ。その後、盗賊神ミルタバルの神殿に拾われて、神官と盗賊の技能を培った後、33歳で冒険者として身分を隠して『魔神教団』を倒すために活動を開始したんだ。


プレイヤーC:私はテシェレ・ククルアレ。ポーラの妹で32歳のエルフです。姉さんから冒険に誘われて、その目的である『魔神教団』への復讐を助けつつ冒険したりしています。かつて自分を助けてくれた坊やと冒険者として再会したりしちゃったりして。あっちは憶えてないかなー憶えてるかなー、聞くの恥ずかしいからわかんない。魔動機師マギテックとして戦士の彼が苦手な範囲攻撃を憶えたり、怪我した時のために回復弾を使えるようになりましたが。クールな天才なので悟らせません、ぶい。


プレイヤーA:クールなお姉さん(32)……!


GM:Aさんはお姉さんキャラに目が無いよね。


プレイヤーC:クールなお姉さん(妹)です。


プレイヤーD:私はナディーン・スウィフト。虎頭の獣人リカントです。強くなるため、修行として冒険者になった15歳。商人のキャラバンの生まれで、両親はキャラバンの護衛をしていた。キャラバンを守る力を身につけるための一族の掟で15歳の誕生日に旅に出ました。常に、ガオガオしか喋れないので仲間を見つけるのに苦労しましたが、言葉の通じる緑のタヌキを連れた冒険者さんに出会い2人で冒険。その後、リカント語の通じる3人組と知り合い5人パーティを組みました。


GM:あっ、他の3人もリカント語つうじるようにしたのね。


プレイヤーE:最後は私、二コラ・マッキノン。どこにでもいる駆け出し冒険者の少女。そのバックボーンは謎に包まれていますが、明るく礼儀正しい好人物です。騎獣についての熱意がすごく、夢はレッサードラゴンに乗ること。現在の相棒はエメラルドラクーンのラスルカ。緑のたぬきです。


GM:レッサードラゴンに乗れるようになったらラスルカは森へ返されるのかな……。


プレイヤーB:返されても森が困りそう。


GM:さて、それじゃあこのメンバーで初めて行きたかったんですが……


プレイヤーA:ですが?


GM:こんなに『魔神教団』とやらを推したパーティで魔物メシの話なんて設定がもったいなさすぎる。明日までにシナリオ練り直してくるので、やりましょう。『魔神教団』と決着を付ける物語を……!


プレイヤー一同:おおー!!!


そういうわけで、用意したシナリオを破棄するGM。

そもそも『魔神教団』とは何者か?

魔神を崇める『奈落教』というのはルールブックの設定に出てくるが、わざわざ違う名前が付いているということは『奈落教』とも似て非なる何かなのでしょう。


プレイヤー陣にはこれまでの5話に渡る冒険の旅路(妄想)を話し合ってもらい、全6話のキャンペーン最終話という設定で、翌日にクライマックスだけを遊ぶことに。


今、キャンペーンが終わる……!

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