第2話

 AIに怪談を書かせて、SNSに投稿し、ちょっと有名になった男がいました 男は怪談は、AIではなく自作であると嘘をついていました 今日も、AIに怪談を書かせてSNSにアップロードしようとアプリをたちあげます 「都市伝説風の怪談を書いて」 すると、AIはスルスルと書きだします


「●日未明、●●市●●町3丁目にて、放火事件が発生しました 犯人は、住人を刃物でめった刺しにしたあと、ガソリンをかけて火をつけた模様です」


随分リアルだな、と男は思いました

●日は今日と一緒に日付だし、●●市●●町3丁目は、まさに男の住む場所だったのです GPS機能も使うのかな?と今にいして思えば、男は呑気な事を考えていました


AIは続きをスルスルスルと書き出します



「消防車2台が出動しましたが、未だ、延焼中です」



ふと、消防車のサイレンが聞こえてきます リアルだなあ。もしかして、市の防災情報とかも取り入れているのかな、と男は思いました



AIは続きをスルスルスルと書き出します



「犯人は逃走中です 民家の庭に逃げ込みました 住人を殺めた凶器もそのまま手に握ったまま、隠れる場所を探しています 柿の木のある庭でした 住居のたたずまいから、恐らく高齢夫婦が住んでいると思われましたが、犯人はスルーします 何故なら男は興味がないからです 犯人は隣の庭を抜けて、反対側に出ました そしてレオパレスを通り過ぎて、隣のアパートを通り過ぎて、そして、隣の●●ハイツを通り過ぎます」



おいおい、随分詳しいじゃないか、と男は思います マップも取り入れているのかな、個人情報丸出しじゃないか、と思います



AIは続きをスルスルと書き出します



「男はこだわりがありました 20代後半で髪が少し眺めで眼鏡をかけている男を殺したいのです どうしてそんなこだわりがあるのかと言えば、その方が怪談に出てくる不可解な猟奇殺人鬼っぽいからです」



なるほど、と男は思います それなら、俺も当てはまるな、と思い、立ち上がってカーテンをしめようとすると


AIは続きをスルスルと書き出します


がちゃんと大きな音と共に窓ガラスが割れてました 刹那、男の首に犯人の包丁が食い込みます


「都市伝説っぽくなるでしょう?」



2025.5.19

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