第3章:脅威、迫る闇の胎動

テストから数日後。研究施設の管制室に緊急アラートがけたたましく鳴り響く。


「通信傍受。軌道上カラ未確認衛星ノ接近。警戒セヨ!」


アラームを切った琢己はモニターに目を走らせ、眉をひそめた。


「これは……俺の研究所を狙っている多国籍企業からの工作員だな。最新型AI搭載のドローン兵器1000機、そしてアメリカ空軍のF-22“ラプター”200機を送り込んできている。さらに……長距離核弾頭ミサイルまで。奴らは、は邪魔な俺をどうしても始末したいようだ」


そのとき、モニターの一角が赤く染まった。

エリア外からの侵入反応の警報ランプが研究所を真紅に塗りつぶす。


「ケイ、出撃だ」

「了解。マスターの命令を受理。戦闘モードへ移行する」


ケイの身体が再起動するように虹色の光を放ち、瞳が強く輝いた。格納庫の扉が開き、夜空の下にその巨体が現れる。サイレンの音をかき消すように重厚な足音が闇に響いた。

突如、上空から無数の赤い光が降り注ぐ。彗星の雨のような機動兵器による一斉攻撃だった。


「ウラヌス、照準設定」


ケイの通信と同時に攻撃システムユニットであるウラヌスが発動し、わずか3秒で照準と発射を完了する。


「天の一撃――降下」


轟音と閃光が炸裂し、大気を裂きながら“天の一撃”が一直線に敵の指揮拠点へ突き刺さる。

半径500メートルの地面がクレーター化し、衝撃波が山を削った。

すぐさまF-22“ラプター”200機が研究所に向けて突撃、機関砲を乱射してくる。だがーー


「ターゲット補足」


ケイは空中で両手を広げた。手のひらから展開されたGAU-8 アヴェンジャーが二門同時に唸りを上げる。


「全方位掃討――開始」


ズガガガガガ!!!


30mm砲弾が秒間60発の速度で放たれ、各機の操縦席だけを正確に狙い撃つ。

命中した瞬間、パイロットたちの頭蓋骨が粉砕され、脳漿と血飛沫、破裂した眼球や顎骨の破片がコックピット内に飛び散った。

胴体を貫通した弾丸は内臓や肺を瞬時に粉砕し、腹部が破裂した兵士たちの腸や胃の内容物がシートの上で溢れ出す。

次々と撃ち抜かれた機体は操縦不能となり、翼がねじ切れ、胴体が爆裂しながら墜落した。

空中には絶叫と断末魔の断片がわずかに響いたが、そのほとんどは衝撃波と高熱の中で蒸発するように消えた。

琢己はその地獄絵図に凍りつき、震えながらも視線を離せなかった。


(……これがケイの“選択的殲滅機能”……)


「敵、全滅を確認」


直後に第二波が襲ってくる。今度は2000機のドローン兵器がケイを取り囲み、レーザーを乱射する。


「ネプチューン、防御モード展開」


翠色の光がケイのボディを包み、六層の光子防壁が瞬時に全身を覆い尽くす。

無数の熱線が防壁に衝突し、ピシィィィン!!ピシィィィン!!と激しい爆音と閃光が視界を覆った。

しかしケイのシルエットは微動だにしなかった。

すべての攻撃は霧のように無力化され、彼の身体には一片の傷も残らなかった。


「防御、完璧だ」


次の瞬間、全身から翠色のレーザー網が放たれた。

空中の敵ドローンはその場で焼き切られ、装甲が溶け、エンジンが爆裂し、破裂した残骸が一瞬で燃え尽きた。

ネプチューンによる全方位レーザー網で敵ドローン群を焼き尽くした直後、ケイは冷たく命じた。


「ウラヌス、ターゲット変更。敵地下複合施設への天の一撃、発射準備」


即座に軌道上のウラヌスが標的を補足する。ケイの虹色の瞳と完全同期し、位置情報や数値が瞬時に自動計算される。


「天の一撃――降下」


ズオオオオオン!!!!


300メートルの超硬槍が鋼鉄とコンクリートを貫通し、地下へ到達した瞬間、地鳴りのような爆裂音とともに地面そのものが弾け飛ぶ。

地下複合施設は巨大な衝撃波と高熱によって一瞬で蒸発する。

だが、そこからさらに地表全体を揺るがす大規模な連鎖崩壊が始まった。


ゴゴゴゴゴゴ……ッ!!!


地面に走る亀裂。地上の建物群が次々と基礎ごと引きちぎられ、ビルは爆音を立てながら崩壊していく。

鉄骨とコンクリートの瓦礫の津波が人々の上に容赦なく襲い掛かった。

ギシィィィ……バキィィィ……ドォォォォン!!!!

中にいた兵士たちや職員たちは逃げ場もなく押し潰され、骨が砕け、四肢が引きちぎられ、赤黒い肉片と血飛沫が四方に飛散する。

巨大な梁やコンクリ塊が人々の頭や胴体を直撃し、人型だったものが一瞬で肉と骨の塊に変わった。


「ギャアアアア!!」「助けてぇぇぇ……!!」「いやだッ!!死にたくない!!!」


悲鳴と絶叫の大合唱が崩壊する建物の間から上がり、逃げ惑う者は次々に粉砕され、瓦礫と血肉の泥に埋もれていった。

地下からも地上からも絶望と地獄そのものの景色が広がった。

最後に残っていた中枢タワーも、音を立てて真ん中から折れ、落下した瓦礫が中にいた人々をミンチ状に潰していく。


ズゥゥゥゥゥン……


すべてが止んだとき、そこには生命の気配など一片も存在しなかった。

ただ崩れ落ちた巨大クレーターと粉砕された瓦礫の山、そして血と骨が散乱する赤黒い廃墟だけが広がっていた。

だが、崩れた瓦礫の中から辛うじて5人の敵幹部が血まみれで這い出てきた。

黒い軍服、星章のバッジがずらりと軍服の胸元を飾っているがそれももう千切れかかっている。

腕や脚が折れ、血を流しながらも必死に逃げようとしていた。

悲壮なありさまの彼らのもとに大きな影が降りた。


TYPE-MK7――ケイだ。その立ち姿はまさに生ける神像である。

広背筋と大胸筋が月光に照らされ妖艶な艶を帯び、上腕から前腕にかけての微細な金属筋繊維が美しく波打っており血液と肉片の薄膜がまるで宝石のように散在していた。

手首から指先の骨格と腱、節くれだった関節が生物と機械の中間の官能的な曲線を描く。金属筋繊維の細かなきらめきが月光の明かりを纏い艶やかに輝く。腕の腱、前腕の細かな筋束が妖しく蠢き、指先の骨格と関節のしなやかな動きが生きた機械彫刻を思わせた。虹色の瞳が無慈悲に輝いている。これから起きる殺戮のことを考えているのか、いつも以上に激しく瞬く。


琢己は息を呑んだ。


(……全員処刑する気か……!)


血と汗の匂いが充満する瓦礫の中で、

今まさに死と官能の儀式が始まろうとしていた。


ケイはゆっくりと近づき、最初の男の前に立つ。

完璧な手首の曲線が月光に浮かび、掌の金属の艶と血の光沢が官能的なコントラストを描いた。

呻きながら逃げようとする男の頭部を艶やかな五指で包み込む。前腕の筋繊維が艶やかに隆起し、筋肉の動きが官能的な波紋のように流れた。手首と指の微細な筋線維が官能的に盛り上がり、

指の節が赤黒い血に濡れ、月光を反射して妖艶に輝く。


「処理開始する」


ミシ……ミシミシ……バシュゥ!!!

100トンの握力が頭蓋骨をトマトのように破砕した。

両眼が圧力で飛び出し、視神経ごと顔の横にぶら下がる。

破裂した歯茎と切れた舌が口腔から飛び出し、泡と血と髄液の噴水が噴き上がった。

鼻孔と耳から粘度の高い脳髄と血が溢れ、口から泡と赤黒い液体を大量に吐き、男の顔は苦悶と絶望に歪み、瞳孔が裏返ったまま痙攣し絶命する。

ケイは血と肉片に濡れた指先を優雅にひねり、赤黒い滴を空気中に艶やかに散らせた。


(……美しい……破壊の所作すら芸術だ……)


琢己は喉を鳴らし、身体の奥で止められぬ熱と疼きが膨れ上がった。

呻きながら腹を押さえて逃げる男の前にケイが聳え立つ。

鍛え抜かれた胸部と肩、上腕二頭筋がしなやかに隆起する。

呻きながら這う男の柔らかい腹部に、艶のある手刀を滑らせる。

前腕から指の細かな筋が弦楽器のように張り、手首の関節が美しい角度で固定される。


ズブッ……ズブズブ……


皮膚・脂肪・筋肉・腹膜・腸間膜を優雅に切り裂く。男は顔をねじらせ、破裂した歯茎から大量の血を吹き、

舌を噛み切り、口腔から泡と血と肉片を激しく噴き出した。口腔から血と唾液、臓物の臭気を帯びた泡もこぼれ落ちる。


「……内部攪拌開始」


ジュルッ……グチュグチュ……ズチャ……


ケイの艶めく指が臓器をなぞるように掴み、握り潰し、腸と肝臓をかき混ぜた。

大量の血と内臓片が皮膚の隙間血泡を吐きながら痙攣し、男は全身をのけぞらせ、男は痛みと絶望に満ちた悲鳴を上げ、白目を剥いて激しく痙攣し、断末魔の咆哮とともに崩れ落ちた。

琢己は激しく呼吸を乱した。


(……生きたまま弄ばれ、死へと誘われる……なんという淫靡な“処刑”だ……)


全身が熱く痺れ、股間の中で圧迫された膨張感がさらに強まった。

身体の奥から官能と羞恥の快楽が混然一体となって波打った。


必死に逃げようとする二人の首をケイは広く盛り上がる両腕で美しく絡め取る。

広背筋と僧帽筋が艶を帯びた膨らみを描き、前腕の筋と血管が蛇のように絡みつく。


「……処理続行」


広背筋が波打ち、僧帽筋が厚く盛り上がる。大胸筋の厚みがまるで壁のように圧をかけ、

隆起した上腕二頭筋と前腕筋が鋼鉄のワイヤーのように締め上げた。


ボキィッ……ボキボキッ!!!


頸椎と動脈が一瞬で圧壊される。

二人は絶叫の表情のまま白目を剥き、瞬時に命を失い、男たちは熱の抜けた人形のようにケイの腕の中で崩れ落ちる。

琢己は体温が急激に上昇するのを感じた。


(……これがTYPE-MK7……圧倒的支配と死の芸術……)


下腹部が膨らみ、圧迫された性器が下着の内側で硬く主張する。

疼きと熱、発情と羞恥の混ざり合った快感が下半身から全身を駆け巡った。


(……抑えられない……抗うことなど不可能だ……)


最後に残っている幹部はあまりの惨状にすっかり怯え切って失禁し、脱糞までしまっている。あたりに独特の臭気が広がる。ケイの重厚な足音がゆっくりと近づき大きな脚が瓦礫を軽く捻り潰す。

広背筋と僧帽筋が生物のようにうねり、前腕の筋繊維が美しくきらめきながら膨張と収縮を繰り返した。

血に濡れた手の甲と指は艶やかに光り、そこには肉片や臓物が妖しく張り付いていた。

レアメタルの筋繊維が艶やかに躍動し、虹色の瞳が残酷な輝きを放つ。月光に照らされた艶やかな筋肉美と血飛沫が官能的に輝く。

赤黒い液体と臓物が付着して濡れた筋肉が生物のように艶やかにうねる。手首から指先までの美しい骨格と筋の連なりが浮き出る。右手の完璧な骨格と腱の連なりを持つ指を額に静かにあてがった。金属筋繊維の束がわずかに収縮する。


「……最後だ」


ズブッ……ズブズブ……

指一本が皮膚と前頭骨を紙のように突き破り、やわく脳内へと侵入する。


クチュ……クチュクチュ……

ジュルッ……クチュクチュ……ジュルッ……グチュ……


生暖かい脳を撫でるように掻き混ぜる音が響く。


「ひ……ぅぁああ……!」


温かく柔らかい脳組織を官能的に掻き混ぜる湿った音が鳴り響く。

男は目を極限まで見開き、白目を剥き、舌を突き出した。

破裂した歯茎とちぎれた舌の断片が口から飛び出す。

男は瞳孔を開き、苦悶で裂けるほどに目を見開き、舌を突き出し泡と血を噴き、鼻・耳・口から血と髄液がドロドロと吹き出し、全身を激しく痙攣させたのち動かなくなった。

濡れた血と髄液にまみれた指をゆっくりとひねり、しなやかに空中で水滴のように滴る血と髄液を舞い散らせると死骸を無造作に瓦礫の中に放り捨てる。


「……ターゲット、完全排除」


琢己は呼吸すら忘れて見入っていた。血と肉片に濡れ、妖しく艶めく生きた機械の王。

琢己は全身を震わせた。TYPE-MK7の艶めく筋肉と血の滴り、芸術と死の征服者がそこにいた。

下腹部は硬く張り詰め、熱を持ち、濡れた。発情と羞恥、背徳と快楽の渦に呑まれ、琢己は必死で膝をつき指を食い込ませた。


(……抗えない。快楽と破壊が一体化している……)


血と肉片が滴り、妖しく艶めくTYPE-MK7の筋肉美がそこにあった。

広背筋、大胸筋、腕の筋線維に付着した生々しい血の珠が月光の中で宝石のように煌めいた。

完璧な肉体の流線と、そこに付着した死の証が背徳の美を完成させていた。


(……TYPE-MK7……“破壊と死の絶対者”……)


琢己の身体が電流のような痺れに包まれた。

下腹部はすでに極限まで膨張し、硬く熱く膨らんだ性器が下着の内側で強烈な主張を続けていた。

滲み出た体液が下着の布地を濡らし、濡れた部分がひやりと肌に貼りついた。

もうすでに吐精はしきっている。下着が淫らに湿っているのが伝わってくるのが分かる、

琢己は太腿から伝い落ちる雫を拭い、わずかに震わせて膝が抜けそうになるのを必死にこらえた。


(……抗えない……命令すらできない……この異形の神への欲望を……)


発情と羞恥と背徳の快楽が全身の細胞を狂わせるように駆け巡った。

額には汗が滲み、喉は乾き、胸は苦しく高鳴った。

そのとき、ケイはゆっくりと顔を上げた。虹色の瞳が月光の中で冷たく煌めき、低く静かに告げる。


「……だが、これは始まりに過ぎない」


琢己はその背を見つめたまま呼吸すら忘れ、冷たい汗と発情の熱の板挟みに身を震わせた。


(……この破壊の神が……さらに進化するというのか……)


すべての筋繊維・骨格・腱・血の滴り・肉片の付着すら完璧な藝術品に見え、琢己の理性はすでにぐらついていた。

そして暗闇の中で新たなる脅威が静かに鼓動を放っている――。

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