第3話 冒険者生活の始まり

ベールクの奴隷達が森から薪を拾ってきて、焚き火の準備をして、野営の準備をしている。レイはベールクから色々な話を聞きながら女性達が作った料理を食べている

「レイさん、村長から受け取った物を見せて貰えますか?」

ベールクがレイを見て言うと、レイが袋から出してベールクに渡す

「これは… 嵌められていますね… レイさんこれは見せたら期間契約奴隷にされます」

ベールクが書いてある内容を教えてくれる


は? 嵌められた… 山奥だから奴隷商に行けないから騙したのか? 異世界は怖い… 気を付けないと… この人も騙す可能性も… どうしたら?


レイがショックを受けているのをベールクが見て笑い出す

「レイさん、御礼の件ですが、町に着いたらします。 期待しておいて下さい! 命の恩人に変な事はさせません」

ベールクが笑いながら言う

「ありがとうございます」

レイが作り笑いしてベールクを見ている

「ブラウンウルフの件ですが、3体はレイさんの所有権があります。 どうしますか?」

「解体したくても、経験がありません… 捨てて行くか」

レイがブラウンウルフを見ている

「この場で買い取りましょう。 輸送賃を引いて… 金貨3枚でどうでしょう? 」

ベールクが笑顔で言う

「相場は解りませんが、お譲りします」

レイが考えてから言う

「人を信用し過ぎるのは良くないですが、レイさんは人が良すぎます。冒険者をするなら疑う事も大事です」

ベールクが笑顔で言う


その後もベールクに色々教わり、スキルについても教えて貰っている


手に持つ物に鑑定をしようと意識すると、ぼんやりと文字が浮かび上がり、物の名前と価値が表示されている


「どうしましたか?」

ベールクが不思議そうに見ている

「何でも無いです… 」

レイが苦笑いしている

「レイさんも何かスキルを持っている事を祈ります」

ベールクが笑顔で言うと、既に周囲が暗闇に包まれている。男奴隷達が馬車の車輪を直している


翌朝、直った馬車に乗せて貰い、順調に進み、町が見えてくる

「ベールクさん、何か有りましたか?」

門番がベールクを見て聞く

「ブラウンウルフに襲われました。 この通り」

ベールクが荷台のブラウンウルフを見せている

「5匹!! 奴隷も怪我を… 早く治療が必要そうだな… 早く帰ると良い」

門番が笑顔で言うと、馬車はそのまま町に入っていく


「何も聞かれなかった」

レイが驚いたように言う

「顔馴染みで良かったです。 このまま奴隷商まで行きます」

ベールクが笑顔で言うと、馬車が進み、豪華そうな建物の前で止まる。しばらくして建物から男が出てくる

「どうした? ベールク?」

男がベールクを見てから馬車を見ている

「ブラウンウルフに襲われて、このレイさんに助けて貰い何とか無事に到着できた」

ベールクが笑顔で説明をしている。男がレイを品定めするように見ている

「事情は解った! レイさんこちらへどうぞ」

男が笑顔で言うと、首輪をした女性が笑顔で案内してくれて、豪華な部屋に入り、ソファーに座って待っている


「この奴隷商の店主のバークレンと申します。奴隷達の怪我もそれほど悪くなく、安心しています。 レイ様に対しての御礼を用意しています…」

バークレンが笑顔で言う

「たまたま助けられただけです」

レイが慌てて言う

「奴隷についての事を少し説明します」

バークレンが笑顔で奴隷制度について説明してくれる


奴隷には3種類あり、犯罪奴隷と借金奴隷と期間契約奴隷に解れている。期間契約奴隷は出稼ぎの様なもので、期間が過ぎれば契約満了で解放されて自由になる奴隷、借金奴隷は金銭で売られた奴隷で一生か解放されるまで主人の為に働く奴隷、犯罪奴隷は犯罪を犯した奴隷


「レイ様、この度はベールクを助けて貰い感謝しています。 ベールクが死後奴隷達を助けていたならば、奴隷達はレイ様の持ち物に全てなっていました。 御礼として、ささやかな奴隷を譲ります」

バークレンが笑顔で説明を始めていると、ベールクが笑顔で2人の女性を連れて入ってくる


「レイさん、まずは1人目は犯罪奴隷ですが、文字の読み書きが出来ます。 勿論奴隷として奉仕も何でもする事は約束しています」

ベールクが笑顔で説明して、女性が緊張した様に微笑みながら頭を下げる。髪の長い人族の女性で歳は18歳

「次はこちらの女性です。借金奴隷ですが獣人ですので、冒険者として役に立つでしょう」

ベールクが笑顔で説明すると、犬耳族の女性が緊張したように頭を下げる。髪を後ろで束ねて、狼の様に三角耳の容姿も良い女性で歳は17歳


レイは鑑定しようとして意識をすると、2人とも説明通りの文字が浮かび上がっている

「レイ様、レインは訳有りです。 売り先が新人冒険者の男と指定を受けています。 冒険者になぶり殺されるか、早死させるのが目的でしょう。 エリンは村から売られた奴隷ですが、何故か新人の冒険者に売るように言われています。 勿論2人とも処女ですから、レイ様の自由に仕込んで貰っても構いません…」

バークレンが笑顔で説明している

「本当に良いのですか?」

レイが少し困惑気味に言う

「感謝の気持ちです。お受取り下さい」

バークレンが笑顔で言うと、ベールクも説明している


レイはレインとエリンと奴隷契約を済ませる

「レインはレイ様の為に何でも致します。 長くお仕え出来る事が希望としています」

レインが笑顔で少し緊張したように言う

「エリンは御主人様の為に何でも致します。 御主人様何なりと申し付け下さい。御主人様の子供は産めないですが、御主人様の為に末長くお仕え致します」

エリンが笑顔で言う

「レイン、エリンよろしく」

レイが緊張したように言うと、ベールクとバークレンが笑っている

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