超極太のラーメン
「ん? こっちか……? あ、あったあった」
住宅地を自転車でウロウロすること十数分。
私は行列を見つけることで、探し求めていたラーメン屋へとたどり着いた。
時は遡り大体2時間前。
私は寝そべりながら動画サイトをザッピングするかのようにしながら巡回していた。
そんな中、とある動画が目に留まる。
『超極太! まるで麺とは思えないモチモチした食感!』
そう紹介されていたラーメンはたしかに麺が太かった。
場所もここからそう遠くは無い。
行ってみるか。
そうやって自転車をこいで私はその店を見つける。
行列はかなりの長蛇の列となっており、店の前のみならずその先の横断歩道を挟んで待機している人もいた。
私もその人たちに習い、後ろへと並んだ。
スマホをイジリ、待つこと約30分。
とうとうその時は来た。
「1名様どうぞ」
店主が呼びかける声に応じて店へと入る。
内装はかなり綺麗であり、従業員は店主のみであった。
こんなにも多くの客をよく対応できるものだなと感心する。
「こちらのカウンター席どうぞ」
布巾で綺麗になったカウンターに私は座る。
注文をウダウダ考えて待つのも並んでいる人に迷惑だ。さっさとしてしまおう。
私は動画で紹介されていた1番人気のラーメンと生姜丼を注文する。
カウンターからは厨房が少しだけ見えるのだが、たしかに茹でられていく麺は太い。
うどんの平麺をさらに厚く太くしたものといえばイメージしやすいだろうか?
あれは確かにボリュームがありそうだ。
「お待たせいたしました」
私の前にドンと鎮座されたそのラーメンはたしかに大きかった。
麺だけではない、チャーシューもしっかり厚く、食べごたえがあることが食べる前からみてとれる。というか丼からスープが溢れそうだ。こぼさずにカウンター席に置ける店主さん凄い。
「いただきます」
おぉっ美味い!
スープは醤油ベースであり、風味とパンチが良く効いた味となっており、口にすればするほど食欲をそそられていく。
チャーシューも分厚いながら、しっかりと柔らかく味が染みて口の中で肉が解けていく。
そして肝心の麺だが当然美味い!
美味しく食べごたえがあり、モチモチとした食感が優しく私の口を満たしてくれる。
スープとの相性も抜群であり、麺とスープが絡みあうことでスープのパンチを麺の甘さが包み込んでいる。
一緒に注文した生姜丼もこれまた美味い。
挽肉と共に生姜がその風味をそこなうことなく味付けされたものがご飯の上に乗っており、混ぜて食べることで実に美味しい。
量も十二分にあることから、間違いなく足りなくてもっと注文しておけばよかった……なんてことを心配する必要もない。
本当に美味しく、私は満足の幸せの中麺を啜っていった。
「ご馳走様でした」
しっかりと完食し私は手を合わせる。
腹は充分に満たされ満足であった。
ゆっくりしたい気分もあるが、待たせては迷惑だ。
そうして私は一息だけついて店を出る。
店を出ても長蛇の列は途切れないどころか、私が来た時よりも長くなっており、その店の人気さが見て取れる。
この長い列に並ぶだけの価値はあったな。
そう私は思いながら帰路に着いた。
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