(8)結香 - わたしの決意
今日は職場の宴会。A社との
宴会が終わりに近づいてきた。課長がわたしたち女性陣の仕事ぶりをほめている。でも、そのことばは、翔太さんにみんなの前で言ってほしかった。別のテーブルで翔太さんがほほえんでいるのが見えた。店を出たところで翔太さんに声をかけられた。また映画を見に行かないかと誘われた。お酒を飲みながら相談することにした。
翔太さんはおしゃれなバーに連れて行ってくれた。わたしのよく行く安い居酒屋と違い、ちょっと緊張した。ふたり並んで座るカウンター。グラスを傾ける翔太さんの横顔がまぶしい。職場とは違った表情を見せる翔太さんにちょっとだけドキドキした。
それなのに、翔太さんが語る恋愛映画への不満がせっかくの雰囲気をぶちこわし。翔太さんによると、恋愛映画はすでに恋愛関係にあるふたりのストーリーだけど、どうやって恋愛関係になったのが描かれないのがおかしいんだって。翔太さんはわたしのことをどう思っているんだろう。
終電が近づいてきたので店を出た。明日からまた仕事。課長の顔を見るのがやだな、とついぐちをこぼしちゃったら、翔太さんも一緒に悪のりしてくれた。交差点の向こうにはあやしげなネオンが輝いている。今は翔太さんと2人きり。わたしの心は決まった。
(つづく)
(第2章「作品解説」)
https://kakuyomu.jp/works/16818622175437139934/episodes/16818622175639994320(CatGPTって、なに?)
https://kakuyomu.jp/works/16818622175437139934/episodes/16818622175437190031
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