ほら、取り敢えず1番最初なんで。

自己紹介、ね

第1話

いつもと変わらない生徒会室の中。


例に漏れず私たち生徒会役員は全員ここに集合していた。


特に何をするでもなく、各々が自由に過ごしていたのだけれど。




「ねー、瞳ちゃんー」




ひょこりとちょんまげを揺らして、優斗が満面の笑みをこちらに向ける。


…なんだかイヤな予感がするのは何故だ。


また面倒なことになりそう、というか。




「やっぱりねー、自己紹介っていうのは大事だと思うんだよー」




何を言い出すんだいきなりと思いつつ、下手なリアクションもとれないので“はぁ”と返事を返す。


まぁ大事と言えば大事かもしれないけれど。


何故いまその話。




「だから自己紹介しよう!」




『だから』の意味。


そして自己紹介というのは知らない人同士がするものだ。


既に知り合っている状態だというのに何故今更自己紹介なんてものが必要になるんだ。


そもそも。




「最初にしたでしょ、自己紹介」




生徒会室に無理やり連れて来られた日にみんなしたじゃないか。


アレが自己紹介じゃないならなんだと言うんだ。




「違うよー、もっとなんていうか細かいことっていうかー。ここだけの話的なのを聞きたいんだよー」

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