第14話 今も人気の鉄道部品!
今も人気の鉄道部品があります。
この部品には、なんと、しっかりと矢印、それもそう方向に矢を立てたものが書かれたものが多数、あります。中には3か所くらいの場所を書いて片方だけの矢印が二つほど書かれたものもあったと思うけど、それは例外。
この手のもののほどんどは、しかし、必ずと言っていいほど両方に矢印が向けられています。なぜかは簡単。行き帰りでひっくり返していてはキリがないからね。これが巻き取りの方向幕というものになると、「大阪行」とか「佐世保行」とかいろいろ入れておいて、少し回せば、大阪や佐世保ばかりか、京都でも長崎でも西鹿児島(現在の鹿児島中央)でも岡山でも、どこにでも変えられます。
そうなると、両方向の矢印は必要なくなったってことになりましょう。あ、矢印を表に出さなくてもよくなったってことになるわな。
大阪 ⇔ 佐世保
OSAKA SASEBO
こんな感じね。それぞれ、漢字の下にはローマ字表記もあります。
これは、昭和40年頃の特急「みどり」号用の「サボ」こと、サインボードであります。一般にこのサボってものは、横に長い長方形で、プラスチックもしくは鉄板でできていました。なかには、途中の経由地を下に書いたものもありましたね。
京都 ⇔ 佐世保
KYOTO SASEBO
筑豊本線経由
VIA CHIKUHO LINE
こんな感じです。これは、昭和40年代後半の特急「かもめ」の付属編成のものです。おおむね、文字にするとこんな感じです。
これらは特別急行列車でしたので、白地に赤の文字で書かれていました。
通常は白時に黒ですが、中には黄色に青文字だったりと、カラーの方もいろいろありました。もっとも現在では、方向幕やLED表示に代わってしまい、サボは殆どその姿を消してしまいました。
なんと申しても、これを欲しがるあまり「抜き取って」盗む困った人が昔から結構おられましてね。後にレイルウェイライターとして活躍された種村直樹氏も、京都大学の学生時代、京都駅で急行「雲仙」のサボを盗んでつかまって一通りいろいろあったようです。ついに先日廃刊になってしまいましたが、鉄道ジャーナルという雑誌の連載で、このことを種村氏が書かれて、賛否を巻き起こしたこともあります。創業者で当時編集長の竹島紀元氏は、そのことは承知の上で盟友でもあった種村氏のこの文章、カットすることなく掲載されました。
当時でさえそうでしたから、今なら、とんでもない話になっているでしょうね。
それはともかく、列車の行先を示す部品には、姿かたちを表すかどうかは別として、明らかに、矢印が宿っているのです。もっとも、その矢印がきちんと入った部品は、今となっては趣味人の間くらいで行きかうくらいになってしまいましたけどね。~なんせ、国鉄末期もそうだけど各鉄道会社が、そういうものを商売っ気を出して売りまくった時期がありますからねぇ。
しかしこうしてみると、乗り物なんて、矢印なくしては到底成立しえないことが語るほどに明らかになってきたように思われてなりません。
矢印がなかったら、ひょっと、交通機関は何一つできなかったのではないかと、そんな思いさえ湧き上がってこようというものですよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます