第4話 在庫は増やすべきか?
我々が働き出した『昭和』という時代は、とにかく他社を出し抜き、自分の会社のシェアを上げるが仕事でした。
取引先の店頭には、
・委託在庫=メーカーの貸出展示在庫
・買取在庫=店の仕入れ在庫
が、混在していました。当然ながら、早く売れていくのは買取在庫。店主が、資金を寝かせたくないと思うのか?買取在庫は順調に回転して行く。
・倉庫在庫=店頭に並べることが出来ない買取在庫
「委託」「買取」「倉庫」にある在庫=流通在庫という
我々は、「店頭流通在庫シェア」を上げろと言われ、空きスペースがあれば、商談または委託し、シェアを上げる。ベテラン営業は、買取在庫比率を上げられるから、販売の回転が速い。新人は、委託在庫ばかりの比率を上げているから、販売の回転が遅い。
「買取」は、そんなに簡単ではない。
時間を掛けて、「信頼」を勝ち取ったものに与えられる、ご褒美と思った方が良い。中々買って貰えない。
「仕入れてください。」
この一言が、中々言えない。タイミングも必要である。相手の機嫌を損ねれば、買ってくれない時間は、長時間に及ぶ。
営業とは、「相手に無理が言える、人間関係を構築できる人間」と私は位置付ける。マニュアル等通用しない。「信頼」と「タイミング」のみである。後輩と数多く同行したが、「今じゃないでしょ。」「相手の顔を良く見ろよ。」に出くわす。そういう人間は、「営業に向いていない。」
人間は感情ある動物。それを経験で見抜き、買取在庫を増やし、回転を速くさせる。店にやる気を起こさせる在庫は絶対に必要だ。自動販売機では、販売の加速はしない。
店をやっていた親父の言葉を思い出す。
「商売は借金しないと伸びない」
これは、借金というプレッシャーを常に持つ事で、「売る」という動きを加速させる意味だと思います。
営業マンが出来る店の加速を上げるのは、「買取」だと思います。店の為だと思って、「買ってください」と粘りましょう。結果は、商売拡大を加速させます。
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