うんこ食べたんですけどおいしくって…毎日食べてます

柳谷「こんばんは」

相談者「こんばんは」

柳谷「お名前年齢お願いします」

相談者「村瀬、44歳です……」



柳谷「ありがとうございます。今夜のご相談は、ほとんど哲学と衛生の融合です。

お迎えしたのは、消化器官・味覚神経・行動倫理学の専門家、**志村 椋(しむら・りょう)**先生です」



志村「こんばんは。食とは、命の取り込み行為。

それが“自家製”である場合、話は複雑になります」



柳谷「すでに地雷原ですね……では村瀬さん、ご相談をどうぞ」



相談者「あの……この前、試しに自分のうんこを……ちょっとだけ食べてみたら……

なんか“しっくり”きまして……気づいたら今、もう3週間くらい、毎朝食べてます……」



(長い沈黙)



柳谷「……この番組、そろそろ文化庁に怒られませんかね?」



志村「まず冷静に答えましょう。うんこ、すなわち大便は、

食べ物ではありません。人体から排出された老廃物であり、再摂取は推奨されません」



柳谷「医学的にはアウト?」



志村「完全アウトです。

ただし――稀に**“自己糞食症”**と呼ばれるケースが存在します。

これは、“自分の内面を取り戻したい”という無意識的欲求が極端な形で現れたものとも言われています」



相談者「じゃあ……僕は何かを……取り戻そうとしてる……?」



志村「かもしれません。“出してしまったもの”を、“取り戻したい”――

その行為は、自己否定と愛着のねじれた表現であることが多いです」



柳谷「つまり、心の問題と腸の問題は、案外近いってことですね……」



志村「そのとおりです。

ただし、再摂取には感染症・寄生虫・腸内バランスの崩壊といったリスクがあり、

“心を満たしても、体が壊れる”という最悪のルートになりかねません」



相談者「……やめた方が、いいですか……?」



志村「“口に入れるもの”は、“未来の自分”です。

あなたが未来を大事にしたいと思うなら、“出したものは戻さない”方がいいでしょう」



柳谷「うわあ、めちゃくちゃ効いた。“未来の自分”って言葉……」



志村「うんこは、あなたが“不要だと判断した何か”です。

それを尊重して、手放してあげる勇気も、また大人の一歩です」



柳谷「ということで、今夜もまた一歩踏み出せました。

子供は寝なさい、大人も寝なさい……起きてるのは、今夜も――“出したはずの何か”に縋ろうとする心だけ……」

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