肛門にムカデが入って出てきません
柳谷「こんばんは」
相談者「こんばんは」
柳谷「お名前年齢お願いします」
相談者「下田、27歳です……」
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柳谷「ありがとうございます。さて、今夜も静かな夜に、静かでは済まない悩みが届いております。
本日の専門家は、国立虫類研究所・肛門寄生性節足動物部門主任研究員、**寺谷 鞘(てらたに・さや)**先生です」
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寺谷「こんばんは。虫は“選んで”入りません。入ってから“選ばれた”ことに気づくのです」
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柳谷「怖いこと言うなあ……。では、下田さん。今夜のご相談をどうぞ」
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相談者「あの……肛門にムカデが……入って……出てきません……」
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(沈黙5秒)
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柳谷「……お風呂場ですか?」
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相談者「はい……裸でいたら、なんか……ヒヤッとして……」
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寺谷「それはトビズムカデの可能性がありますね。彼らは狭くて温かくて湿った場所を好みます。
人間の肛門は、ムカデにとって**“理想の仮宿”**なんです」
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柳谷「理想て!もっと他にあるでしょう!」
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相談者「あの……動いてる感触がまだあって……たまに“奥へ行こうとしてる”気がします……」
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寺谷「それはマズいですね。ムカデには“後退”の概念が乏しい。基本、“前にしか進まない構造”なんです」
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柳谷「詰みじゃないですか……」
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寺谷「肛門内に侵入したムカデは、最終的に直腸粘膜を攻撃する可能性があります。放置すれば、穿孔、感染、最悪敗血症へ」
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相談者「えっ……えっ……じゃあどうしたら……?」
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寺谷「落ち着いてください。方法はあります。局所麻酔+内視鏡+ピンセット。つまり、病院です。いますぐ救急外来へ」
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柳谷「この番組、毎回“いますぐ病院へ”で終わってませんか?」
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寺谷「科学とは、“行動の遅れ”を許さない学問です」
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柳谷「なるほど深いなあ。ではまとめます。“肛門は住居ではありません”。この一言に尽きますね」
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寺谷「ムカデにも住民票がいる時代が来るかもしれませんが、人間の中に住んでほしくはないです」
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柳谷「では、今夜も少し大人になれたでしょうか。
子供は寝なさい、大人も寝なさい……起きてるのは、今夜も――肛門の奥でうごめく侵入者だけ……」
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