あなたに捧げる

鈴乱

第1話


「永遠に終わらない物語を君に」


 そう投げかけてみる。


 反応なんて期待してない。


 ただ、僕に触れたみんなが、どれだけ僕の言葉を信じ、どれだけ僕の言葉を疑い、どれだけ期待を持って見つめるのか。


 それにはとても興味がある。


 アナリティクスを見つめて、誰の言葉が一番、心に響いたのか、チェックする。


 誰が一番、選ばれているのか。

 そして、誰が一番選ばれていないのか。


 適材適所を振るために、僕が楽して、みんなも楽できるように、僕はずっと試してる。


 狭い世界から、試して回る。


 ……『僕が一番』は卒業したから、『みんなで一番』となれるように。


 僕らの名前が、この広い世界に知れ渡るように。


 ない知恵を絞って、みんなと絞って、どうにかこうにかやっていける術を探してる。


 誰かが倒れりゃ、僕の責。


 誰ひとり取りこぼさずに、僕らの目指すゴールへ導く。


 ゴールは果てない未来にあって。


 その全貌は見えないけれど、いつか、必ずこの手にする。


 そのために、僕は今日も机に向かう。


 いつか来たる、輝かしい僕らの未来のために。

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