Ep49:隠された絆の始まり

星見小学校の放課後、星見キッズの5年生メンバーは、各々の時間を過ごしていた。この日はシュウとタクミが不在で、3人は桜の木の謎解きから一時離れ、自分たちの世界に浸っていた。彼らの間には、シュウとタクミには決して明かせない秘密の絆が存在していた。その始まりは、1年前に遡る。






1年前、5年生の初め、リント、ハル、ユウキは同じクラスになった。


偶然にも家が近所であることが分かり、毎日の登下校を共にすることになった。


最初はただのクラスメイトだった3人だが、登下校を重ねるうちに自然と会話が増え、笑顔が交わされるようになった。


放課後には一緒に宿題をしたり、休日には近所の公園で遊んだりする日々が続き、3人の間に特別な絆が芽生え始めた。


リントはメガネをかけた知的な少年で、ハルは活発で愛らしい笑顔が特徴的、ユウキは落ち着いた大人の雰囲気を持っていた。


この違いが互いを引きつけ、友情を超えた何かを感じさせる瞬間が増えていった。




ある休日の午後、ハルの家に遊びに来たリントとユウキは、ハルの部屋で衝撃的な発見をした。それは、ハルの高校生のお兄さんが所有していたエ〇DVDだった。3人は最初、好奇心から再生ボタンを押すと、画面に映し出される大人たちの行為に、目を丸くしながらも見入ってしまった。幼い心には刺激が強すぎ、戸惑いと興奮が混ざり合い、顔が熱くなるのを感じた。




リントがメガネを外し、震える声で言った。


「ハル、ユウキ…。これ、すごいね。見ちゃダメかもしれないけど…。」




ハルは顔を赤らめ、目を逸らしながら答えた。


「うん…。でも、なんかドキドキするよ。リント、ユウキ、どう思う?」




ユウキは静かに頷き、呟いた。


「僕もだ。変な感じだけど、気になって仕方ない。」




3人は画面を見つめ続け、少年らしい好奇心が抑えきれなくなった。映像の中で絡み合う大人たちの姿に、3人の心は乱れ、互いを見詰める視線が熱を帯びた。






その夜、ハルの部屋で3人は初めてその感情を意識した。


リントがメガネを手に持ったまま、勇気を振り絞って言った。


「ハル、ユウキ…。あのDVD見てから、君たちに特別な気持ちがある。嫌いじゃないよ。」




ハルはベッドに座り、恥ずかしそうに目を伏せた。


「僕も…。リントとユウキのこと、好きだよ。変かな?」




ユウキが窓辺に立ち、静かに微笑んだ。


「変じゃない。僕もだ。3人でいる時間が、特別だよ。」






その日から、3人の関係は微妙に変わった。あの映像が頭から離れず、登下校や放課後の時間に互いを見つめるたびに、心がざわついた。




放課後、ハルの家で再び集まった3人は、秘密の気持ちをさらに深めた。


リントがメガネを外し、真剣な顔で言った。


「ハル、ユウキ…。僕、君たちとずっと一緒にいたい。気持ち、伝えたらどう?」




ハルは顔を赤らめ、頷いた。


「リント、僕もだよ。ユウキと一緒にいると、安心する。」




ユウキが2人の間に立ち、優しく言った。


「僕もだ。3人で秘密にしよう。誰にも言わないで。」




3人は手を繋ぎ、初めての小さなキスを交わした。リントがハルの頬に唇を寄せ、ハルが目を閉じて受け入れた。ユウキがリントの肩に手を置き、3人の距離が縮まった。興奮が抑えきれず、服の裾を少しずらし、互いの幼い肌に触れ合った。リントの手がハルの細い腕をなぞり、ユウキがハルの首筋に指を這わせた。ハルが小さく息を漏らし、3人の体温が混ざり合った。




しかし、親が帰宅する音が聞こえ、慌てて離れた。 リントがメガネをかけ直し、言った。


「ハル、ユウキ、次は気をつけよう。バレたら大変だ。」




ハルが頷き、笑った。


「リント、ユウキ、僕、3人で秘密を守るよ。」




ユウキが静かに微笑み、言った。


「そうだね。僕たちの絆、誰にも渡さない。」






キスを交わしてから数日後、リントの家に集まった3人は、秘密の時間をさらに深めた。


リントがメガネを外し、ハルに優しく声をかけた。


「ハル、今日はユウキもいるけど、僕と一緒に何かしたい?」




ハルは目を輝かせ、頷いた。


「リント、うん! ユウキも一緒でいいけど、僕とリントの時間も欲しいよ。」




ユウキが微笑み、提案した。


「なら、僕はその間に本を読むよ。リントとハル、楽しんで。」




リントはハルの手を引き、2人で浴室へ向かった。リントの家には小さな浴槽があり、2人は一緒に湯船に浸かることにした。


リントが服を脱ぎながら、ハルに笑いかけた。


「ハル、僕と一緒にお風呂、初めてだね。恥ずかしい?」




ハルは服を脱ぎながら、顔を赤らめて答えた。


「リント、ちょっと…。でも、リントと一緒なら大丈夫だよ。」


2人は湯船に並んで入り、温かいお湯に浸かった。




リントがハルの肩に手を置き、優しくマッサージした。


「ハル、肩こりない? 僕、揉んであげる。」




ハルが目を閉じ、気持ちよさそうに呟いた。


「リント、気持ちいい…。リントの手、優しいね。」


湯気の中で、2人の距離が近づいた。




リントがハルの背中に泡を塗り、滑るように手を動かした。


ハルが小さく笑い、言った。


「リント、くすぐったいよ! でも、嬉しい。」




リントはハルの首筋に唇を寄せ、軽くキスした。


「ハル、君の肌、温かくて可愛いよ。」




ハルが振り返り、リントの頬にキスを返した。


「リント、僕もリントのこと大好きだよ。」




2人はお湯の中で抱き合い、少年らしい愛情を確かめ合った。




しかし、時間が遅いことに気づき、慌てて湯船から上がった。


リントがタオルを手に取り、ハルに渡した。


「ハル、早く拭こう。ユウキにバレないように。」




ハルがタオルで体を拭きながら、笑った。


「リント、楽しかったよ。またしようね。」




リントが頷き、言った。


「うん、ハル。また3人で、でも時々2人でね。」




2人が浴室から戻ると、ユウキが本を閉じて微笑んだ。


「楽しそうだったね。次は僕も入れてもらうよ。」




(Ep49 完)

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