第7話 神巫女

 俺達は人間の屋敷の奥深くに隠された祠に向かっていた。

 このガキがなぜ鬼でありながらに人と繋がっていたのか。

 それがここに祭られた神のなせる業だと聞いて俺は腸が煮えくり返った。

 ただの鬼が神の威光だと。笑わせてくれる。

 だから俺が正してやるのだ。神と鬼の正しい姿を。


「あなたは海王丸ではありませんね」


「今は俺が海王丸だ」


 姫巫女様。どうしてあなたがここに居る。


「この世界を正しに来た。殺してもいいんだぜ俺を」


 なんだ。どういうことだ。どうしてオレは何もできない!


「そこで見ていろ。ガキ。お前の最後の希望。お前を導いた神の最後だ」


 や、やめろぉ!!!


「見ているかガキ。これからお前の絶望を体現してやる」


 や、やめてくれぇ!!!

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