第2話 ジュスト王視点

「元勇者をお連れしました!」

「よくやったライアス、下がってよいぞ」

「はっ!」


 儂はザラメ王国国王、ジュスト・フォン・ザラメである。目の前の男が元勇者アルフレッドらしいが…、昔の面影が無いな。本当にアルフレッドか?


「お前、名を名乗れ」

「…アルフレッドだ」

「本物か?聖剣はどうした?」

「聖剣は魔王の封印に使った。ここにはない」

「ふむ…」


 どうやら本物の元勇者アルフレッドらしい。


「魔王軍の残党が世界を脅かしておる。助けてはくれんか?」

「何で俺がそんなことを…」

「ダメか?」

「そもそも俺には戦う力など残っちゃいない」

「なんと、戦えぬと申すか!」

「そうだ。もう帰してくれ」


 今の元勇者は全盛期ではないにしても、まだ使い道はあるのではないだろうか?


「ダメだ、国のため、人類のために戦ってくれ」

「ふっ、俺は聖剣が無いと常人未満の能力しか無いんだ。聖剣は魔王の封印に使っていて使えない。わかってくれよ」

「それでも元勇者の名声は儂が危険視するほどの物だ。必ず役立つだろう」

「その名声も俺を嵌めて追放したときに無くなってるはずだ。俺に価値なんてないさ」

「おい、元勇者アルフレッドを牢屋に放り込んでおけ」


 近衛兵がアルフレッドを捕らえる。


「なっ?!やめろ!放せっ!」


 アルフレッドは実際弱かったな。どうにか利用価値は無いだろうか?

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