第12話 研究所の中 2
狗飼研の女性とともに、ひすいさんはともに応接ソファに着いた。オレはひすいさんの右後ろに立った。もちろん、鯉口は切った状態で、た。オレより年下み見える二人は、ソファに着いた。
「何の用があってきたのよ、地獄蝶。ここには貴女が目当ての死体も瑰玉もないけれど」
「人探しだよ。東京警備局総隊長の土生津君に頼まれたのさ。持っていたはずの魔眼を抜き取られた女性の正体を知りたいとのことだ」
狗飼研の女性は怪訝な表情を浮かべる。
「地獄蝶でも調べがつかないことがあるのなんて驚きだな。それとも、後ろの生物と無機物の中間のようなモノについて尋ねたい」
見分するかのような視線が注がれる。
連れの二人も、焦点の合わない瞳でオレの顔を見ていた。
「流石だな。狗飼研のユークレース女史。彼は私の用心棒兼助手として修理したものだ。君が連れている人間もどきとはそもそも根本的に異なっているぞ。ユーイチに見惚れてしまう状況は察するにが、私は、この付近、もしくは東京か、横浜でもいい。よく当たる占い師か、誰も彼もが魅了される踊り子でもいなかったかい」
名前がよくわからない人のことは石の名前で、ひすいさんは呼ぶ。
「またそんな言い方・・・・・・。要は未来視を持った亜鈴、もしくは鈴鳴、相手の注意を引き寄せる、地獄蝶のような魔眼を持っている人物を知らないかということだろう」
「そう。できれば診療のカルテを見せてほしいかな。もちろん報酬はあるとも」
ひすいさんはおいていたトランクケースをから、小さくした三人の賊を取り出した。
後ろ手に縛られ、キーキーと声を発している。
ユークレース女史が連れていた、片方が、三人をのぞき込んだ。その眼にシラー効果が表れたのを、オレは見逃さなかった。
その時、賊は、みなおとなしくなった。
「そっちの人間もどきも魔眼持ちか」
「そう。その眼帯の下にある注意とほぼ同じ力よ。日常生活が営めるように、視力は持たせてあるわ。だからとても微弱なのだけれどもね。それで、これは一体何なの」
「旧東京駅で私たちを襲った強盗さ。ユーイチが斬って私が小さくした。どこかはわからないが、無加工の瑰玉だったよ。
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