【パート3】さて、どんなもんかな。

「本当なんだってば!」


受付で声を張り上げる少年に、制服警官はうんざりした顔を向ける。


「落ちついて、話はちゃんと聞きましたから。」


「でもさ! ほんとに、あいつら絶対ヤバいって!」


少年──早音女さおとめ 颯汰はやたは、必死だった。


身振り手振りを交えて懸命に訴えるその頭には、なぜかシルバーのヘッドホンがついたまま。


「あいつら、リサイクルショップはちょろいとか、次はブランド品だけに絞ろうとか──」


「はいはい、ちゃんとこっちでも調べるから。気をつけて帰るんだよ。」


受付の若い警官は、颯汰を署の出入口の方へ誘導しようとする。


奥で頬杖をついていた中年の警官は、面倒そうにため息をつく。


……そんな光景を、廊下の影からかなめ 浩介こうすけは眺めていた。


頃合いだな。


「──さて、どんなもんかな。」


ポケットに手を突っ込んだまま、脱力したようにふらりと受付へ向かう。


颯汰が不意に要に気づき、警戒したように一歩下がった。


それでも、諦めきれない顔で食い下がる。


「──頼む!誰か信じてよ!」


少年の真剣な声に、要の足が止まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る