何も知らない僕は君と恋をする。

@kanato0116

ゼロ章

「こんなことやめていつもに戻ろうよ」


違う違う違う違う違う。自分が望んでるのはそんなことじゃない。


「いつも通り?そんなもんもう飽きたんだよ。いつもじゃないとこにいこうぜ?」


思ってるのか思ってないのかわからない言葉が無意識のうちに出てくる。


「そんなこと思ってないでしょ?わかるよ。」


いつでもこいつは一番の理解者なんだな。


「何がわかるだ。何もわからないだろ。嘘つくんじゃねぇ!!」


あはは、自分が何言ってるのかわからなくなってきた。もういいや、もういいよね。


「落ち着いて、まだ大丈夫だから。」


「もういいよ、落ち着てる。だからさ、終わりにしよう。」


そいつに近づきながらそう言い放った。


もう覚悟はできている、だから最後に。


「ありがとう、大嫌いだ。」


最後まで嘘しか言えないんだな。そう思いながら目の前のやつと一緒に飛び降りていくのだった。





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