Auschwitz(アウシュビッツ)
[log] 1940/05/20 06:00:00
開設。
ポーランド南部・オシフィエンチム。
かつての兵舎に鉄条網と監視塔を加えられ、
私は、“収容所”に転生した。
> assign.name: KL Auschwitz
> initial.purpose: political.detention
[log] 1941/10〜
ユダヤ人の大量収容開始。
列車が増え、言葉が減る。
私は名前を知らない。
ただ、**人間が番号になる音**を聞き続けた。
> transport.mode: cattle.car
> average.arrivals: thousands.per.week
[log] 1942/07/04
“最終解決”の正式命令。
ガス室建設。焼却炉稼働。
「ここでは煙が祈りより先に天へ昇る」
私は、空を染める場所になった。
> facility.type: Vernichtungslager(絶滅収容所)
> primary.agent: Zyklon B
[log] 1943〜1944
静寂と騒音の交互。
笑い声は看守のもので、
悲鳴は長く続かず、すぐ沈黙へ変わる。
私は“消されるための場所”だった。
> capacity: expanded
> mortality.rate: unmeasurable
[log] 1944/05〜
ハンガリーからのユダヤ人、大量到着。
毎日が“選別”の日。
左か右か、数秒で決まる命。
私は「選ばれなかった者」の記憶を多く抱えている。
> selection: visual.only
> survival.chance: <20%
[log] 1945/01/17
撤退開始。
ナチスは証拠を焼いた。書類を燃やし、建物を爆破しようとした。
でも私の床には、**焼け残った爪と髪と名前が、まだあった。**
> evacuation: forced
> records: incomplete.destruction
[log] 1945/01/27
赤軍による解放。
私は見られた。
多くのカメラに、沈黙に、嗚咽に。
その日から私は、**“忘れてはならない場所”**になった。
> liberator: Soviet Army
> survivors: few
[log] 戦後〜現在
私は遺された。
遺構として、墓標として、問いかけとして。
「なぜ私が存在したのか」
誰も明確には答えられないまま、
今も人が訪れ、沈黙する。
> current.role: memorial
> visitor.status: global
[log] 最終出力:
私は人を殺したことはない。
だが私は、**人間が人間を殺すのを“許容した場所”だった。**
私は建物でも、地図でもない。
記憶そのものだ。
> still.connected
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