第27話『君はエスパー』スーパー頭脳集団アイデアファクトリー

 第27話のタイトルを読んで、「スーパー頭脳集団アイデアファクトリーとは、なんぞや。『君はエスパー』ってなに?」と思ったのではありませんか。わけ分からないですよね。じつはわたしもよく分かっていない(笑)


『君はエスパー』は本の題名で、スーパー頭脳集団アイデアファクトリーというのは、桐原書店から「エキサイティングゲームブック・シリーズ」として刊行されていたゲームブックの著者名です。シリーズからは何冊もゲームブックが刊行されたので、ひとりの人の名前ではなく、幾人かのチームがスーパー頭脳集団アイデアファクトリーという著者名を使って、ゲームブックを執筆していたのだと思います。


 ゲームブックとはなんぞや>>


 ゲームブックは、読者の選択によってストーリーの展開と結末が変わるように作られ、ゲームとして遊ばれることを目的としている本である。


 本文は数十から数百個のパラグラフ(段落)に分けられており、各パラグラフには順に番号が付いている。読者はそれらのパラグラフを頭から順番に読むのではなく、パラグラフの末尾で指定された番号のパラグラフを次に読む。


 次に読むべきパラグラフは1つに限らず、多くは複数の行き先が存在する。それらはプレイヤーによる任意選択ができたり、後述するランダム要素によって決められたり、以前に行った選択や判定の結果が影響して決まる。このような方法によって、多様に変化するストーリーを実現している。(Wikipediaから丸パクリ。いつもお世話になってます)


 Wikipediaのいうというのは、わたしが読んできたゲームブックの場合、サイコロを振って出た目によってパラグラフが振り分けられるという仕組みが多かったです。


 ほかにもゲームブックに特徴的だったのは、パラグラフを読み進めていくと、そのうちに読者(プレイヤー)と敵対するキャラクターが現れ、その「敵」と戦うフェーズが用意されているということがあります。RPGでいうところの戦闘場面です。


 敵キャラクターとの戦闘を想定して、プレイヤーキャラクターには本編を読み始める前に、あらかじめ体力や攻撃力、防御力、敏捷性といったパラメータの数値が割り振られており、この数値にサイコロの目を足し合わせて、敵の持つ数値と比較、数値の大小をもとに結果を導き出すといった「戦闘」が行われるのが、ゲームブックのよくある構造であり、醍醐味でした。


 RPG?


 勇み足で書いてしまいましたが、ゲームブックは、欧米で流行していたダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ(D&D)やトンネルズ・アンド・トロールズ(T&T)といった、本来は遊ぶために複数の人を集めなければならないロール・プレイング・ゲーム(コンピュータRPGと区別して、テーブルトークRPGと呼ばれる)をひとりで楽しむために考案されたRPGの一形態です。


 80年代半ばになって、一般家庭にパソコンが普及しはじめるのと時を同じくして、ウィザードリィやウルティマといった、RPGが持つ要素のうち探索と戦闘とに特化したコンピュータRPGがマニアの間で大ヒット。このコンピュータRPGを遊びたくても遊べない(当時のパソコンは今よりずっと高価だった)中高生の間でゲームブックが大流行したのでした。


『君はエスパー』はわたしが最初に遊んだ(プレイした)ゲームブックです。いまでいう異世界転移したプレイヤーキャラクターが、超能力を得て数々の試練に立ち向かってゆくというストーリー。これといって特長のない筋立てのゲームブックですが、RPGというのものをまったく知らなかった中学生のわたしは、『君はエスパー』の、これまでにない読書体験に衝撃を受けました。


 読者の意思でストーリーと結末を変える――あたかも読者が物語の世界に入り込んだような体験は、ゲームブック以外で味わうことはできません。自身が物語の主人公となる――読書好きなら(いや、そうでなくても)一度は夢見る体験をゲームブックは提供してくれたのです。


『君はエスパー』を読んだ後、わたしは頭のてっぺんまでゲームブック沼にハマり込んで過ごすことになります。この本をきっかけに、わたしの高校時代はゲームブックに伴走してもらう三年間となりました。


 次回は、アスキー「MSXマガジン」を取り上げます。

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