第15話ヤキモチ

「あー、んー、田代さんからライン来たんだけど。」


「え?何で?」


「待って。」


そう言うと、奏斗君は田代さんからのラインをスクショして私に送ってきた。それも既読をつけないで覗き見した物だった。奏斗君のこのスクショを私に見せる行動は許せなかった。田代さんの気持ちも私の気持ちも考えない最低な行動だと思った。


「田代さんは奏斗君の事が好きなんだよ。ちゃんと返事してあげて。ラインよこさないように言ってよ。」


「ルミさん、ヤキモチ?俺、こう言う難しい長いラインとか苦手。頭悪いし。」


「歳近いし、話とかどう?合うの?」


「どうだろう?田代さん、しっかりしてるし。んーわからん?」


「今は私と付き合って居るんだから、ダメだよ。長文ラインに心動かされちゃ。」


「ミルさんがちゃんと俺を見張ってて。」


どこまでも他力本願というか、奏斗君の意思は無いのかな?こんな奏斗君は嫌だな。曖昧が良い時も有るけどコレはちょっと…。私はモヤモヤしていた。


「週末どこ行く?」


奏斗君が話題を変えてきた。


「どこ行こっかー?奏斗君の好きなところにしよう。」


「え?いいの?俺この前行ったラブホ行きたいんだけど…。ルミさん大丈夫?」


こんな年上の私を愛してくれるなんて…。あの日を思い出すたび子宮がキューとなって感じている自分がいた。


「うん。大丈夫だよ。一緒にお風呂入ろ。」


「それイイね。楽しみ。俺彼女と一緒にお風呂って初めてかも。」


私はこの日の為に泡の入浴剤を買った。流石に泡で隠さないと…。思った以上にアワアワで年甲斐もなくはしゃいでしまった。


「すげー。こんなになるの?って言うか。ルミさん綺麗。」


奏斗君は隠さないで普通に入って来た。


「えー隠そうよ。ソレ。って何でまだ何もしてないのに大っきくなってるの?笑」


「何でって?好きな人と、ねー、するって思うだけでねー。お互い脱いでるし。若いし。大っきくなるよね。」


私達はお互いを確認しあい泡の中で弾けた。


「ルミさんサイズ何?」


「え?私小さいよね。Bカップしかないよ。」


「小さいのかな?綺麗だし触りごごち最高だし、もっと大っきいサイズだと思うけど。」


奏斗君は後から私の胸を包みながら話した。


「ブラジャーになりたい。」


2人顔を見合わせ大っきい声で笑った。


奏斗君が私の上で揺れている。私は奏斗君の動きに身を任せて声を殺していた。


「ルミさん、声聞かせて。」


奏斗君の囁きでつい声がもれ


「もっと…」


そうつぶやいていた。奏斗君が私を抱き寄せ奥までくる。もう少し…と思っていたら何だか奏斗君の動きが…


「ごめん。出ちゃった…。」


「え?全部?」


「うん。」


「待って。抜かないで。ちょっとティッシュ取って。」


奏斗君は私と繋がったまま手を伸ばしティッシュを引き寄せた。私はそれを二人の間にあてがい奏斗君はゆっくりと抜いた。


「ごめん。つい気持ち良くて、でもまだ大丈夫って思っちゃって…」


私は嬉しかった。私の中で果ててくれた奏斗君が本当に愛おしくて抱きしめた。

そのまま抱きしめられて2人で眠りについた。

首の痛さで目が覚めた。15分位寝たらしい。奏斗君を起こしてシャワーをしに立ち上がると私の中から精液が流れた。『このまま妊娠したら…私はどうする?』



48歳と30歳現実はとても残酷だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る