ハグ

ブルコン

ハグ

あなたは死んでしまいました。

生という状態が終わったということです。


この時私は初めて生が状態だと分かったのです。

そして、死が状態ではないということも分かったのです。


不可逆で、訂正不可能で、もう二度と変えようのないモノだと。


それが分かると、

私の体の中はコトコトと何かを煮込んでいるかのように熱くなって。

ふつふつと息が漏れ始めて、

甲高い音が口から溢れるようになりました。


口から感情を流し終えると、

蓋をするように口を閉めて、

ポリポリと頭を引っ掻くようになります。


いつの間にかブチブチと髪の毛が抜けていき、

とてつもない痛みが襲いかかりますが、

それでもあなたが死んだという喪失は私の心に押し込まれています。


そのおかげであなたと過ごした記憶がパァンッと見るも無残に破裂して、

中身がバシャッと脳髄を塗りたくって、

ヒリヒリと腫れだすように感じてしまって、

とても辛いです。

そう、辛いです。


布団の中に包まって、

あなたの死生を精一杯受け止めようと空気が詰まってやけにふっくらした枕を抱きしめる。

手首を精一杯私側に折り曲げて、

胸に大きな圧迫とわだかまりを感じて、

意識が朦朧と零れだす。


あぁ、痛い。

あぁ、、痛い。

あぁ、、、痛い。


首と肩で挟み込むようにも抱きしめる。

腹と太ももでも。

顎と鎖骨でも。


気付けば枕はとてもとても小さくなっていて、

まるで玩具のように思えて、

私の体もまるまってだんだん小さくなって、

どことなく心まで小さくなったかのように思えて、


おひるねをしたくなったのです。

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ハグ ブルコン @cogitergosum11

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