第16話 自殺未遂の女の証言
私、最近好きな人に振られたんです
凄く好きで、中学の時から片想いしてたんです
彼は結構遊んでる人で
好きな人がコロコロ変わる人だったんです
今考えたらそんなに好きじゃなかったかもなん
ですけど、その時の一時的な恋愛に溺れてたんです、恋は人を狂わせるみたいなこと言うし
それで中学三年生の卒業式
彼に告白したんです
私が生きてきた人生の中で1番
勇気を出した時だと思います
告白した時、彼なんと言ったと思います?
「お前のこと嫌いだし
ブスだから話しかけんな」って
その時私死にたくなりました
私の家がマンションの5階建てで、
ちょっと古めなんです
屋上の鍵もかけられてないし
あそこが丁度いい自殺場所だなって、
振られた帰り道にそう考えていました
家に帰って、屋上へと階段を登って
あと少しで屋上という時に
階段を登って4回に着いた時
目の前に人が落ちたんです
目の前というか、
目の前の壁の向こうで
その人と目が合ったんです
その人、私の顔してました
本当に似ている、似ているどころの話ではない
ドッペルゲンガーと言っても過言ではない
もしかしたら私の数分後が見えてるのかとか
そんなこと考えました
服とかはよく見えなかったんですけど
いや、多分見えましたけど
顔が私そっくりすぎて他のことを
考えられなかったんですよ、多分だから
顔だけ、よく見えました。
その時、下から「べちゃっ」て
柔らかいものと硬いものが強く当たったような
なんとも言えない気持ちの悪い音が
聞こえたんです、私は一瞬固まってました
そりゃあ人が上から落ちてきたら
固まると思うんですけど
私はさっきあの人のように転落しようと
思ってたんです、というかあれは私だから、
いや私ではないんですけど、
すみませんちょっと気が動転してて
最近私が誰か分からなくなるんです
鏡見たらあの時落ちてた私が居る
あの時私が落ちた時、
少し経ってから下を覗きました
下には小さい女の子が落ちていました
私とは10歳ほど違うと思う
その後警察と救急車が来ました
最後に言っておきます、
自殺をしたら地獄へ連れていかれるので
他殺をオススメしますよ
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