第6話 我は2qo3ig%@。宇宙人だ。


 2qo3ig%@。305ihguqngn!!%&$gweg"$。


 ――翻訳機能オン


 我は2qo3ig%@。宇宙人だ。


 この星、海の星に調査に行くよう命令をされてきた。

 調査内容はこの星の頂点に立つ種族と友好関係を築けるかどうかだ。


 この星のすべての場所を見て回った。

 そこで分かったのは狂暴で自分勝手な種族であり、交友関係を築くには程遠い種族であるということだ。


 勝手に国境という線を定めて戦う。

 勝手に思想を育み、相違すれば戦う。

 私利私欲のために戦う。

 そういった者のせいでそうでない者も戦う。


 この星はダメだ。

 帰って星王にはそう報告しよう。


 まあ、あと少し、任務が終わる時間まではここらへんでゆっくりとしておくか。

 報告書でも作りなが……


 なんだあれは?

 あの大きな建物にの上に生体反応が4つ。

 建物の中に1つ。

 建物の外に1つ。


 何をやっているんだ? 見たことのない行動だ。


 建物の中にいるのは人間の幼体……メス……


 外にいる5人は親類か?

 いや、遺伝子情報が合致しない。

 どういうことだ?


 建物調査プログラム起動。


 “フクシ”……?

 どういう意味だ? 現地語翻訳プログラム起動。


 なるほど。“福祉”。あの子は孤児か。


 そして建物の上に立っている者のうちの1人が持っているのは“銃”、人間の武器だな。


 ということは……またか。

 また弱者から奪おうとしているのか。

 戦争をしていたところでもそうだった。

 孤児院や病院など弱者の多い場所に押し入って物資を奪ったり、犯したり、殺したり……もうたくさんだ。


 せめてもの慈悲だ。あの子だけは助けて星に帰ろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る