第6話:2期生コラボ配信(2)

「──じゃあここからは、いよいよ後半戦!」

 

 こはるが軽快に手を叩いて、画面のトーンが再び切り替わった。


「この時間は、みんなで楽しむ直感2択バトル〜!」


《待ってました!》

《お題くるぞ〜!》

《コメントでAかBのやつね、了解!》


「ルールは簡単! こっちが出す2択の質問に、全員で一斉に答えてもらいまーす! 理由はあとで!」


「ちなみにリスナーのみなさんも、ぜひ《A》《B》で参加してくださいね」

と、私も落ち着いた声でフォローを添える。


「はいっ! じゃあ第1問!」


 こはるが手元のカードをひらりと掲げた。


「朝は──パン派? ごはん派?!」


《きたー!》

《これは大事な話》

《生活感出るやつw》


「じゃあいくよ、せーの!」


「「「パン」「ごはん」「ごはん」「ごはん」」


「……え、うそ!」


「綺麗に分かれましたね」


「え、待って! パン勢私だけ?!」


「……こはる声大きすぎる」


「いやいや、だってさ! みんなパン好きだよね?」


「……メルナから答えていこう」


「そうですね……私おにぎりが好きですし。やっぱり、和食の香りで始まる朝って落ち着くんです」


《わかる》

《ごはん派の理由が上品》

《メルナちゃん、絶対味噌汁好き》


「ちょっと無視しないでよ! 私はもう、完全にパン!  起きてすぐ食べられるし!」


「てか、朝食は決まってパン、コーヒーなんよ!」


《こはる安定のレイに無視されてて草》

《わかりみが深すぎる》

《リナさんは?》


「私はごはん派ですわね。パンだと、どうしても甘くなりがちで……しっかり塩味が恋しくなるの」


「リナさん、朝からしっかり食べてそうだもんな〜」


「もちろんです。健康第一ですもの」


《圧倒的説得力》

《朝の正解を言われた気がする》

《レイは?》


「……米が、好き」


「確かに、そこに理由なんていらないよね!」


 軽い笑いが交錯するなかで、コメント欄も《パン》《ごはん》の嵐。


 Vのキャラごとの色が出る、緩やかなやりとりが、配信の夜に溶け込んでいく。



 * * *



「じゃあ続いてのお題、いきましょう!」


 こはるが笑いながらカードを掲げる。


「夜はテンション上がる派? それとも落ち着く派?です!」


《これ気になる》

《Vらしい質問きた!》

《夜組と朝組に分かれそう》


「せーのっ!」


「「「上がる」「落ち着く」「落ち着く」「落ち着く」」」


「……あれ、また割れた!」


「また、こはるさんが1人ですね」


「え〜!  え〜!  また私だけって、そんなことある!?」


「……あるよ」

 

「ひどいっ!」


《このテンポ好きw》

《こはるレイの組み合わせいいなw》


「いやさ、夜って自分の時間って感じしない?雑音が減って、テンション上がるし、やりたいことが増える感じ!」


「……こはる、それ昼もじゃん」


「正解!」


《納得の理由》

《テンション高くても癒される空間なのすごいよな》


「じゃあ落ち着く派いこうか。次はメルナちゃん!」


「はい。私は……星の瞬きは、静かな方が似合うと思ってます」


「メルナ語録きたー!」


《名言助かる》

《その一言で寝れる》

《静かな夜を過ごしたくなるやつ》


「私はワイン片手に読書……というのが理想の夜ですわ」


「さすがリナさん、大人の落ち着きってやつ……」


《おしゃれすぎ》

《気品すごいな》

《リナさん夜の女王感ある》


「……私も、落ち着く派」


「静かな方が落ち着く。ゲーム音だけで十分」


《それもいい夜の過ごし方》

《ASMR的空間》

《みんなそれぞれの夜あるなぁ》


「──ということで、夜のテンション、真っ二つでした!」


「リスナーのみなさんも、自分のスタイル見つけてくださいね」


《この空気感すき》

《深夜テンションで見てる自分は元気派》

《夜がもっと好きになった》



 * * *



「それじゃあ、ラストいきまーす!」


 こはるが両手をぱっと広げて、明るくまとめに入る。


「最後のお題は──『夏と冬、どっちが好き?』です!」


《きた!季節系!》

《シンプルなのに割れるやつ》

《ラストにちょうどいい〜》


「せーのっ!」


「「「夏」「夏」「冬」「冬」」」


「やった、今度は私一人じゃない!」


「……冬、静かだし好き」


「私は、寒いと紅茶がより美味しくなるので」

 

「リナさん、理由までおしゃれ……」


「私は夏派だよ〜! お祭りとか花火とか、テンション上がるじゃん?」


「私も夏が好きですね。外の光で目覚めたい派です。」


《あーわかる》

《これはどっちも良さあるな》

《メルナが夏派なの意外》


「リスナーさんも、コメントで《夏》《冬》教えてくださいね〜!」


 わいわいとした雰囲気に、コメント欄が賑やかに染まっていく。

 ゲームコーナーのラストにふさわしい、ふんわりとした温度で。


「──ということで、以上! 直感2択バトルでした〜!」


《ナイスゲーム!》

《こういうのまたやってほしい》

《神企画》



 * * *



「さてさて──」


 こはるが手を叩きながら、笑顔でコメントを見回す。


「楽しかった直感2択バトルも終わって、あっという間にエンディングです!」


《え、もう終わり?》

《名残惜しい…》

《でも楽しかったー!》


「ほんと久しぶりの2期生コラボだったけど、どうだった?」


「やっぱり、こうして集まって話すと、空気があったかいですね」


 私がいつもより少しやわらかく笑う。


「……またここで集まれたって空気だった」


「こういう時間が少し癖になりますわね」


《癒し空間だった》

《ほんと、全員のバランスいいなぁ》

《2期生、推せる》


「はいっ、それでは最後にお知らせで〜す!」


「このあと、各メンバーのチャンネルで順次、ソロ配信やペアコラボも予定してますので──」


「詳しくは、それぞれのチャンネル概要をチェックしてくださいね」


「2期生、これからも盛り上がっていきますので、引き続き応援よろしくお願いします!」


《全部見る!》

《予定メモった》

《2期生の波来てる!》


「それじゃあ、また静かな夜にお会いしましょう──」


「せーのっ!」


「「「「おやすみなさーい!」」」」


 画面がふわりと星の光に染まり、コメント欄には最後の言葉たちが溢れていく。


《おつメルナ!》

《みんな最高だった》

《よき夜を!》

《また次回!》


 こうして、2期生による久しぶりのコラボ配信は──

 静かに、でも確かに、夜の空気に溶けていった。


――――――――――――――――――――――――

これにて

Vtuber星霧メルナ導入編は終わりです。

先が気になる、Vtubergが好きという方は⭐︎評価頂けると喜びます!

次回からは大学生のパートになります。


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