第5話:2期生コラボ配信(1)

 配信画面に星が瞬くようなアニメーションが映し出される。

 そこに順番に現れていく4人の姿。

 癒し系の星霧メルナ、元気系ポンコツの雨宮こはる、知識派のお姉さん白月リナ、ミステリアス系の煌坂レイ。


《うぉぉぉ2期生集合!?!?》

《なにこの豪華メンバー!》

《神回の予感しかしない》

《久々に4人揃ったの嬉しすぎ》


「皆さん、こんばんは〜! Orbits Production、第2期生の配信にようこそ!」


 元気いっぱいに声を張ったのは、雨宮こはる。

 今回は彼女が進行役として全体をまとめてくれている。


「今日は、久しぶりに全員そろっての配信ということで! 今さら聞けない質問をテーマに、トークしていきま〜す!」


《拍手〜!》

《このメンツほんと好き》

《バランス良すぎて草》

《コラボ待ってたぞ!》


「というわけで! まずは1人ずつ、改めて自己紹介いってみよっか!」


 軽快なテンポで、順に紹介していくこはる。


「じゃあまずは〜、私から!」


「どうもどうも! ポンコツ元気担当、雨宮こはるです! 今日は楽しくおしゃべりしていきましょう〜!」


《ポンコツ自覚してて草》

《最初から飛ばしてるなw》

《こはるのテンション好きすぎる》


「次〜!」


「こんばんは。星が瞬くそのすきまから、星霧メルナです。今日は少しにぎやかな夜になりますが──よろしければ、最後までご一緒に」


《出たメルナの導入!》

《やっぱこの空気感いいわ……》

《一人だけ夜のテンションで草》

《切り替えうま過ぎない?》


「じゃあ次〜!」


「夜のひととき、ごきげんよう。白月リナですわ。今夜はたくさん質問があるようですので、皆さんと一緒に楽しめたら嬉しいですわ。よろしくお願いしますね」


《リナさんの声まじで癒し》

《落ち着くお姉さん枠》

《リナさんの配信毎晩聴いて寝てる》


「そして〜!」


「……煌坂レイです」


「お、おしまい!?」


「……以上」


《安定の塩対応》

《レイそれでいいのかw》

《素っ気なさが逆に良い》


「──ってことで、全員そろったので、さっそく企画スタート!」


「今さら聞けない質問、どんどん行きますよー!」


《いぇーい!》

《どんな質問くるんだ!?》

《ドキドキしてきた》


「まずはこれ!」


「『もしも、他の誰かと入れ替われるとしたら、誰になりたい?』!」


《初っ端からおもしろ質問!》

《メンバー同士ってこと!?》

《絶対レイは誰も選ばない説》


「さあ、じゃあ……まずはレイちゃんから!」


「……誰とも、入れ替わりたくない」


「即答だー!」


「……私は、私でいい」


《名言きた》

《レイってそういうとこあるよな》

《揺るがないスタンス好き》


「じゃあじゃあ、リナさん!」


「うーん、こはるちゃんかしら」


「え!? まじですか!?」


「その元気、少し分けてほしいわ。毎日が賑やかになりそうで、ちょっと憧れるの」


《ギャップがいい!》

《これは意外!》

《こはる嬉しそうw》


「じゃあ次、こはるちゃんは?」


「えー!? どうしよ……うーん……あっ、メルナちゃん!」


「え?」


「だって、あの落ち着いた声と空気感! 配信でみんなを夜に引き込む感じ、憧れるよ〜!」


《わかる》

《メルナの雰囲気まじ唯一無二》

《お互い尊敬してるのいいな》


「じゃあメルナちゃんは?」


「私は……そうですね。選ぶなら、こはるさんかもしれません」


「ええ!? まさかの相思相愛?」


「ふふ。配信のときコメントに囲まれて、ちゃんとリアルタイムで全部拾って、笑って、反応して……こはるさんの配信って、私にはない光があります」


《まぶしいってことか……》

《メルナの配信との対比いいな》

《すごい尊敬し合ってる感じある》


「──というわけで、第1問は全員分終了!」


「次の質問に行く前に、いったんコメント拾いますか〜!」


《ありがとうこはる!》

《めっちゃ楽しい》

《ずっと聞いてられる》

《この空気感まじで最高》



 * * *



「──さてさて、それじゃあ次の質問いってみましょう!」


 こはるが手元のメモをぱらりとめくって、いたずらっぽく笑った。


「リスナーの無意識の破壊力あるコメント、あったりする?です!」


《これ絶対あるやつ!》

《わかる……たまに本気で刺さるやつ》

《地雷を踏んでくるのが優しい人だったりするのある》


「じゃあ、これはリナさんからいこうか!」


「そうね……以前、“結婚してたら完璧だった”ってコメントがあって」


「わっ、それは……」


「ふふ。たしかに褒めてくれてはいるのだけど、完璧のための条件がそれ?って、ちょっと考えてしまいましたわ」


《微妙に複雑》

《地味に刺さるやつだ》

《理想像押し付けられてる感じね》


「レイちゃんはどう?」


「……今日も、静かで安心しました」


「……あ、え、それは……え?」


「たぶん、褒めてる。けど、静かってなんだろ……?」


《また名言きた》

《レイの哲学コメント回》

《わからんでもないw》


「メルナちゃんは?」


「私は……今日も、ちゃんと癒してくれてありがとうってコメントですかね」


「それ、めっちゃ褒め言葉じゃないの?」


「はい。でも、ちゃんと癒せたかを気にしてしまうのって、実は少しだけ……重いんです」


「……あー、なるほど。プレッシャーってことか」


「そういうつもりじゃないって、わかってはいるんですけどね。だからこそ、逆に刺さるのかもしれません」


《深い……》

《癒し側のジレンマ》

《わかりみしかない》


「じゃあ最後、私! 今日のテンション低め?ってやつー!」


「……あ〜」


「違うんよ! こっちは全力なのに、そう言われると“え、足りなかった?”ってなっちゃうんよ!」


《あるあるすぎる》

《地味に一番刺さるやつ》

《無自覚ダメージ代表!》


「──はい、ということで、今さら聞けない質問コーナー、盛り上がったところで!」


「このあと後半は、2択ゲームコーナーに突入していきまーす!」


《よっしゃあ!》

《テンポいいな〜》

《後半も期待!》


 軽やかに切り替えるこはるの声に、画面は一瞬、切り替えの待機モーションへ移った。


 

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