#2 冒険の幕開け!
「ネオ殿、支度をしてくるのでしばし待たれよ」
ガルさんはそう言うと自宅へ荷物を取りに行った。
そういえば旅支度と言えば四次元的なポケット、
上限がない道具袋的なやつはどこだろうか?
最初から当然の様に持っているチートアイテムがあるパターンを忘れていたので、
ポケットに何か入っていないか探してみたが何もない。
ふむ…これはもしかして、俺自身は普通でガルさんが強キャラのパターンか?
主人公は弱いけど相棒が最強過ぎて困るみたいなやつ?
「お待たせしたネオ殿ー!」
戻って来たガルさんはモブ服から打って変わり、
赤く染められた革製のハーネスを着て大きな斧を背負っている。
クラスは戦士とかファイターとかそういった前衛系だろうな。
だとすると俺は魔法使い系じゃない後衛の設定か?
弓使いとか、シーフとかアサシンとか、そういうのもいいな。
「どうかしたのであるか?」
「俺のクラスとかジョブ的なやつってステータスに載ってたりします?」
「おお!さすが困難な状況に置かれても向上心を忘れないネオ殿!」
「しかし焦りは禁物、まず神殿へ行き己を知る事が肝要である」
「あれですか、水晶玉に手をかざして潜在能力を調べるみたいなやつですか?」
「おお!この世界に来たばかりなのに、そのような事まで言い当てるとは!」
「ソレガシはネオ殿には驚かされっぱなしである!」
なるほどなるほど、これはあれだ、
水晶玉に手をかざすと割れてしまって凄い事が判明するパターンだ!
勿体ぶるよなー、俺を転生させた神ー!
「さぁ!早く行きましょう!」(測定器を壊しに!)
「世界が俺を呼んでいるぜ!」
「おお!冒険の始まりである!」
妙に息の合ってきた俺達は、
やっぱり何故か妙に整備されている森の道を通り街へ向かった。
道すがらスライムとかゴブリンとか定番のモンスターはガルさんが倒し、
俺は薬草とかキノコとかの定番アイテムを集めたが、
持ち切れなかったので集めても仕方がなかった。
アイテムを持てない問題も街に行けば解決するのだろう。
「ネオ殿!アレを見てみるといい!」
雑魚敵を蹴散らしていたガルさんが指差す方向を見ると、
凄い勢いで走ってくる巨大なモンスターが居た。
最初のボス的なやつだろう。
雑魚のゴブリンを大きくした色違い、ホブ・ゴブリンってところか?
道中に拾ったアイテムでなんとかなるパターンだろう。
あっ…捨てたんだった。
「ガルッダ流・
「おぉりゃー!!!」
「ガルさん凄い!連打してるだけだけど凄い!」
ガルさんの凄まじい勢いの攻撃にデカいゴブリンは一瞬で倒され、
例によって魔物はエフェクトと共に消え去り輝くアイテムを落とした。
ドロップ…アイテム…!
まさかこの目で見る事になるとは。
この世界が剥ぎ取るタイプのシステムじゃなくて本当に良かった。
「あれですか、魔石ですか?」
「もはやソレガシは驚かぬぞ」
「ネオ殿のいう通り、街で換金できるアイテムである」
自然な動作で魔石を拾って俺に渡してきたガルさんを見て、
俺が主人公だからアイテムは俺の物、
ガルさんはパーティメンのシステムになっている事に気が付いた。
普通に考えたら倒したのはガルさんなんだからアイテムはガルさんの物だよな。
やっぱり俺、主人公なんだ!
「今の戦いで俺のレベル上がったりしてませんかね?」
「はっはっは、ネオ殿の冗談は面白い!」
「見ているだけでは経験にならないに決まってるのである!」
「ですよね!ははは!」
パーティに居るだけでは経験値は入らず、
行動によって経験値が入るパターンだこれは。
ガルさんについて行くだけでレベル上げになると思ったのに楽はできないか。
行動の内容によって経験値の量が変わるタイプだと面倒だな。
パーティでレベル差がありすぎると経験値が入らないパターンはもっと面倒。
今の俺は魔法以外で使える技もないみたいだし。
まぁ、それも街に着くまでの辛抱だ。
「
「どうしたのだネオ殿!」
「いえ…手から光弾が出ないかと思いまして」
「おお!異世界人はそのような力があるのだな!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます