神津山奇譚シリーズ小ガイド

岬士郎

神津山奇譚シリーズ小ガイド

読者様から要望があり、神津山奇譚シリーズの設定の一部をまとめました。すべてを網羅しているわけではありませんが、これだけでも知っていれば本編を読むのに苦労はしないはずです。

用語、登場人物とも、第一部「うちのお兄ちゃんは闇にさまよう」、第二部「彼女の坊やは妖獣童子」、第三部「七人の探索者」から抽出しました。一部にネタバレがあるのご注意ください。

なお、神津山市の地理については、「神津山市・設定 https://kakuyomu.jp/works/16818622173820157104 」をご覧くださいませ。



●用語


幼生ようせい

 邪神(旧支配者・蕃神)らの幼体。


ハイブッド幼生

 邪神と人間との間に生まれた存在。人を襲って食らう。任意の姿へと成長する。強靱な肉体を有するが、脳を破壊されると死亡する。


純血

 純血の幼生のこと。任意の姿へと成長し、邪神へと成長する個体もある。脳を破壊されると親の元へと帰還するが、決して死ぬことはない。


なりかけ

 深きものだが、まだ人間らしさを残した状態。俗に言う「インスマス面」。


見鬼けんき

 不可視状態の幼生を視認したり、幼生の気配を察知できる人間。その能力には個人差がある。異性のハイブリッド幼生に性的に好まれる傾向にある。


特機隊とっきたい(特殊機動捜査隊)

 邪神や幼生、邪教集団の脅威から社会を守る警察組織。任務の内容は警察内部でも秘匿されている。


輝世会きせいかい

 特機隊をサポートする組織。医療部門や武器開発部門などがある。

 以下、「彼女の坊やは幼獣童子」より抜粋。

   ※   ※   ※

 輝世会は政財界が秘密裏に結成した組織だ。異形のものどもや邪教集団に関する研究や特殊装備の開発をする「秘密研究機関」はこれに属しており、対邪教集団の活動を拡充させるためにこれ以外にも、医療機関や土木建築、流通、製造など、さまざまなセクションから成り立っている。また、特機隊と連携して動くことも多く、両組織間で情報の共有がなされている。


無貌教むぼうきょう

 無貌神むぼうしん(ナイアルラトホテプ)を崇拝する邪教集団。


センサーグラス

 特機隊の装備の一つ。ゴーグルタイプであり、不可視状態の幼生を視認することができる。

 以下、「彼女の坊やは幼獣童子」より抜粋。

   ※   ※   ※

 通常モードに設定すれば瞬時にUVカットが施されるためサングラスとしても使用可能だが、本来の目的は不可視状態の幼生を視認することである。さらにこの夏に全隊員に支給されたこの新型は、従来型の各機能に加え、敵が可視状態でもその弱点である「脳」を見つけ出す機能と、対象の幼生の雌雄を判別する機能、その幼生が純血種かハイブリッドかを判別する機能、などが追加されている。あの空閑隼人でさえ純血種かハイブリッドかを判別するのは不可能だったという。すなわち、新型のセンサーグラスの機能を活用すれば、空閑隼人クラス以上の見鬼の能力を身につけたのと同然、と言えるわけだ。


もん

 空間を突破するための門。虹色の球体という形態である。


召喚球しょうかんきゅう

 邪神召喚の儀式で使う水晶玉。


天帝秘法写本てんていひほうしゃほん

 古代の秘術について書かれた書物。漢語で表記されており、邪神についての言及もある。


神津山市かみつやまし

 茨城県北部の田舎町。三千年前に張られた結界が現在の市境となっている。


高三土山たかみどさん

 神津山市の西部に位置する山。邪神召喚のための祭壇石がその頂上にあったが、のちに特機隊によって破壊される。標高は七百九十八メートル。


高三土神社

 空閑孝義によって高三土山の麓に建立された神社。飯綱権現を祀っているように見せかけているが、実際には無貌神を祀る神社である。のちに特機隊によって取り壊される。



●登場人物


空閑くが隼人はやと

 第一部の主人公。喧嘩が強いが、その反面、沈着冷静である。正義漢が強く、妹思い。会社員(第一部)。見鬼として覚醒し、その能力は高い。


空閑蒼依あおい

 第三部の主人公。隼人の妹。見鬼であるが、覚醒するのは第三部にて。


神宮司じんぐうじ瑠奈るな

 第二部の主人公。蒼依の友人。見鬼であり、泰輝を代理出産した。隼人に思いを寄せる。


神宮司泰輝たいき

 純血の幼生。通常は少年の姿だが、戦闘時には巨獣に変身する。巨獣の姿のときは、体臭がバニラの香りだ。瑠奈を母親としており、彼女に従順である。


神宮司真紀まき

 瑠奈の母。全洋物産株式会社の会長。陰で特機隊を支援する。


山野辺やまのべ士郎しろう

 隼人や蒼依とはいとこ同士。無貌教を率いる魔道士であり、多くのハイブリッド幼生を使役する。


藤堂しんどう信司しんじ

 神宮司家の執事。瑠奈や真紀から絶大な信頼を受けている。


空閑行人いくと

 隼人と蒼依の父。空閑家の陰謀に辟易とし、本家から離れる。


小野田おのだ輝男てるお

 特機隊第六小隊の隊員。元警視庁捜査一課の刑事。第二部より登場。


尾崎おざき恵美えみ

 特機隊隊員。第一小隊から第六小隊へ移籍。


水野みずの昭彦あきひこ

 特機隊第一小隊隊長。無貌教の間者だった。同性愛者であり、山野辺士郎の恋人。


三上みかみ弘志ひろし

 特機隊隊員。第一小隊から第六小隊へ移籍。


佐川さがわ眞人まさと

 特機隊隊員。第一小隊から第六小隊へ移籍。


本郷ほんごう梨夢りむ

 蒼依や瑠奈の同級生。その正体は純血の幼生・九尾の狐である。


立花たちばな彩愛あやめ

 梨夢の叔母。無貌教の信者。


神宮司清一せいいち

 瑠奈の父。元警察庁長官官房長であり、特機隊の設立に尽力した。故人。


空閑咲子さきこ

 隼人と蒼依の母。故人。


空閑孝義たかよし

 行人の父。無貌教を立ち上げた張本人。故人。


空閑幹夫みきお

 行人の兄であり、士郎の父。孝義から無貌教を引き継ぐ。故人。


山野辺直子なおこ

 幹夫との間に士郎をもうける。


榎本えもと宏武ひろむ

 フリーのジャーナリスト。神津山市の都市伝説の真相を探る。


塩沢しおざわ直治なおはる

 深きもの。仲間の仇討ちのため、無貌教に戦いを挑む。


立花清文きよふみ

 フリーのジャーナリスト。榎本の知人。


カイト・ウォーカー・メイスン

 無謀教信者であり、魔道士でもある。同性愛者であり、山野辺士郎の恋人。


瑠奈のクローン

 瑠奈の中学生当時の姿をしている。急成長を強いられたため、知能は低い。


タイキ

 瑠奈のクローンが代理出産した純血の幼生であり、幼い頃の泰輝と瓜二つであるが、肌は黒い。戦闘能力は泰輝と互角。性格は残忍。


アリス

 陸自特殊部隊隊員。本名は江東早樹。剣の達人でもある。


ロック

 陸自特殊部隊隊員。本名は富谷京介。寡黙だが、隊員としての能力は逸品。


フーリガン

 陸自特殊部隊の副隊長。正体は空閑隼人。シュブ=二グラスの生態の影響で超人的な身体能力を得ている。

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