第19話 おっとりシスターとどすけべエルフ
いきなり現れたエルフの里の長が自分たちを支配下に置いてくれと言う。
それも俺たちが抱えている問題の一つ、食料問題を解決できるという世界樹まで譲ってくれるという話だ。
あまりにも都合がいい。
都合がよすぎて裏を勘ぐってしまうくらいには、俺たちのメリットが大きすぎる。
しかし、何より怪しいのは――
「そ、その淫紋は、なんだ?」
ソフィアのお腹の下の方に、見覚えのある紋章が刻まれている。
淫紋だ。
当然ながら俺とソフィアは初対面で、淫紋を付与したことはない。
何が起こっているのか分からず、俺が困惑していると、ソフィアは穏やかでありながら色気を感じさせる笑みを浮かべた。
「驚かれるのも無理はありません♡ 私とアースさまは初対面ですから♡ しかし、私は紛れもなくアースさまの女です♡」
「く、詳しく説明してもらうぞ」
「はいっ♡ あれは今日のような温かい日の出来事でした――」
それからソフィアは、淫紋が発現した経緯を俺に語った。
「森の奥で静かに暮らしていた私たちのもとに純白のローブをまとった女性が現れたのです」
「純白のローブ? もしかして、両手杖を持っていたか?」
「はいっ。ご指摘の通り、その方は両手杖をお持ちでした」
「……そうか」
純白のローブと両手杖。
そう言われて思い出すのはゴブリンたちに俺と合流するよう伝えたという女のことだ。
「エルフは外からの来訪者を嫌うため、最初はその女性を排除しようと襲いかかりました。しかし、あっさりと返り討ちに遭いまして」
「ゴブリンたちの時と同じだな」
「その女性は一通りエルフを半殺しにした後、当時まだ幼かった私にこう告げたのです。――『貴女の未来を見せてあげる』、と」
「み、未来を見せる?」
「はい。そう言ってローブの女性は魔法で私の未来を見せてきたのです。そこに映っていたのは、アースさまに抱かれて幸せそうな今の私の姿でした」
未来を見る魔法とかチートすぎる。
しかし、何がどうしてわざわざ未来の映像をソフィアに見せたのか。
ソフィアが言葉を続ける。
「私は未来の私を見て、いつの間にか濡れてしまいました♡ 羨ましい、そう思った時にこの淫紋が発現したのです♡」
「……」
そんな方法で淫紋が?
いや、どうやって淫紋が発現したのかよりも、そのローブの女のことを気にすべきか。
ゴブリンたちのことと言い、今回のソフィアのことと言い、明らかに俺の利になるように行動している。
その目的が分からない。
俺の利になる行動がローブの女自身の利に繋がると考えれば理解はできるが……。
不気味だ。
「それから私は里の長にまで登り詰め、千年以上かけてエルフたちの考えを改めさせました♡」
「千年? ……千年!?」
「はい♡ あ、エルフの身体は二十歳くらいで成長が止まるのでご安心を♡ まだピッチピチのエロエロですよ♡」
ピッチピチとか語彙の古さはともかく、俺は千年という規模に目を剥く。
流石はエルフ。長生きだな。
ただそうなると、やはり気になるのは純白のローブの女だ。
ソフィアの語った話が本当なら、エルフ里にローブの女が現れたのは千年も昔の話ということになる。
対してローブの女がゴブリンたちに接触して俺のことをを伝えたのは最近だ。
もしかして同じ格好をしている別人か?
いや、ロリエッタも見た目は幼いが、実年齢は百を越えていると聞いたことがある。
まだ同一人物という可能性もあるか。
どちらにせよ、やはりローブの女の目的が分からないことに変わりはない。
……まあいい。今は目の前のことを考えよう。
「エルフたちの考えを改めさせた、というのは?」
「そのままの意味です♡ 私たちエルフはゴブリンさまに支配されるための家畜であると、徹底的に教育してきたのです♡ エルフの女はゴブリンさまの愛人に♡ エルフの男は奴隷として好きにお使いください♡」
わーお。
淫紋の影響を受けての行動なのは間違いないが、普通にびっくりした。
凌辱快楽堕ち系のエロ漫画かよ。
「アースさま♡ 他に知りたいことがあれば、何でもご質問ください♡」
「ええと、あっ。あとその世界樹ってのは?」
「食べれば無病息災、不老長寿となる果実を毎日実らせる樹です♡ その苗をお譲りします♡ 魔力を与えると成長する性質があるので果実が食べられるようになるまで時間はかからないかと♡」
「……本当に俺たちにはメリットしかないな」
男のエルフは奴隷として、女のエルフは愛人として受け入れるだけ。
しかも食料問題を解決できる世界樹まで手に入るとか、大盤振る舞いにも程がある。
正直、まだ分からないことも多いが……。
「アースサマ!! オレ!! エルフ、欲シイ!!」
「アースサマ!! エルフ!! 犯シタイ!!」
「美人エルフ!! 毎日!! 子供!! 作リタイ!!」
「オ願イシマス!! アースサマ!!」
「アースサマ!!」
さっきから後ろで聞き耳を立てていたゴブリンたちが、エルフの女と聞いてやいのやいのと騒ぎ始めた。
いやまあ、気持ちは分かるけど。
俺だってエッロいエルフの女をハーレムに入れて毎日ヤりまくりたいけど。
都合がよすぎて後が怖いのよ。
でもここで断る方が損は大きいだろうし、頷く以外の選択肢がない。
俺が判断に困って迷っていると、それまで静かに話を聞いていたミディエラが朗らかに笑いながら言った。
「わたしは素敵だと思うわ♡ ソフィアさんがアースさんのハーレムに加われば毎日楽しいでしょうし♡」
「それは、そうだな」
俺は決断した。
「いいだろう。お前たちエルフは俺の管理してやる」
「嗚呼っ♡ ありがとうございますっ♡ ミディエラさまのお陰ですっ♡」
「うふふ♡ これからも一緒にアースさんのために尽くしましょうね♡」
ミディエラの手を取って喜ぶソフィアの姿を見て、俺はふと気付いた。
この二人、雰囲気が似てるな。
どちらも年上のお姉さん系というか、甘えたくなるバブみがある。
……二人のおっぱいに挟まれながら死ぬほど甘やかされてみたくなってきたぞ。
俺は早速ソフィアのおっぱいに手を伸ばした。
「あんっ♡ アースさま?」
「お、おお、背が高いとおっぱいの迫力も半端ないな!!」
「あらあら♡ アースさんったら♡ わたしを仲間外れにしないで?♡」
その日、俺は二人のおっぱいに顔を埋めて朝までハッスルしようと思って――
「うぇ? あ、あれ? 急に、眠たく……」
「アースさん!?」
「アースさま!?」
俺は急な眠気に襲われて、そのまま倒れてしまった。
これ、前に進化した時と……同じ……。
アースがソフィアの申し出を受けてエルフたちを支配下に置いた頃。
一方、ハイザーランド王国の王都へ旅立ったルーシアたちはと言うと……。
―――――――――――――――――――――
あとがき
どうでもいい小話
作者「エルフたちを受け入れたアースはゴブリンたちからの忠誠心が更に増したとさ。めでたしめでたし」
ア「ZZZ……」
「未来を見せられて堕ちたのか」「また進化するのか!?」「ゴブリンリーダーの次はなんだ」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。
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