第13話 くっころ女騎士とネコミミ三昧





 俺はネコミミ美少女を手に入れるため、入念な計画を立てた。


 まあ、内容は難しくない。要は待ち伏せだ。


 木々の茂みで視界が悪い場所に隠れ、魔法で馬車を引く馬を攻撃して動きを封じる。

 あとはゴブリンの数の力で押せば簡単に勝てるはずだ。


 そうこうして待つことしばらく。


 一台の大型馬車がハイデ村へと続く街道を走る姿が見えてきた。


 御者台にはネコミミの少女が座っている。


 艶のある黒髪を肩の辺りで切り揃えた、可愛らしい女の子だった。


 ミディエラからもらった情報が正しいならネコミミは三つ子らしいし、荷台に乗っているのかも知れない。


 荷台が幕で覆われていて中の様子を確認できないのが残念だ。

 まあ、他に辺境を訪れる馬車はないだろうし、あの馬車で間違いないだろう。



「ぐへへへ、馬車が来たぞ」


「アース様の悪い顔、カッコイイ……♡」



 なお今回はルーシアがお供している。


 ロリエッタの魔法では馬を足止めするどころか、馬車ごと破壊して中のネコミミたちを死なせてしまうため、彼女はハイデ村で待機だ。


 ミディエラに関しては戦闘力がゼロだからな。彼女も村で待機である。


 俺とルーシア、ゴブリン十数匹は茂みに隠れて息を潜め、馬車がギリギリまで近づいてくるのを待った。



「今だ!! ――ファイヤーボール!!」



 俺は馬の足元に向かって魔法を放つ。


 突然の魔法にパニックに陥り、その場で馬が暴れ始めた。



「な、なんや!? 山賊か!?」


「アース様はゴブリンだ。間違えるな、小娘」


「えぇ!? すっぽんぽんの痴女!? どないなってんの!?」



 茂みから姿を現し、襲いかかってきたルーシアに御者台に腰かけていたネコミミ少女が激しく混乱する。


 なんか出会うなり飴ちゃん渡してきそうな話し方のネコミミだが……。


 顔は可愛いからオッケーだな。むしろいい。


 ルーシアはあっさり御者台に座るネコミミ少女を縄でふん縛り、拘束した。



「な、なんやねん、なんでゴブリンと人間が連携してんねん!!」


「ふっ、私はアース様の騎士だからな」


「意味分からんわ!! ああもう!! イコ姉ちゃん、ニコ姉ちゃん!! 荷台で寝とらんとはよ起きて何とかしてぇな!!」



 少女が悲鳴にも近い声で誰かに助けを求めた、その時だった。

 布で覆われていた馬車の荷台が、いきなり「ドッカーンッ!!」と謎の爆発を引き起こしたのだ。



「ぎゃああああ!? こ、今度は何やねん!?」


「今のは、魔法か……? 魔力らしきものは感じなかったが」



 ルーシアが突如爆発した馬車の荷台から咄嗟に飛び退いた。

 何が起こったのか分からないようで、ルーシアは黒煙に包まれた馬車の荷台を見つめている。


 だが、俺には分かった。


 魔法を習得して少なからず魔力を感じ取れるようになった今だからこそ分かる。


 今の爆発には一切魔力を感じなかった。


 つまり、魔法ではない。魔法ではないのに爆発するものとなると、かなり限られる。


 代表的なものは火薬だろう。


 もし火薬がこの世界に存在するなら『アレ』を作ることができる。

 現代で最強の武器、日本では禁止されている『アレ』を。


 俺が一人で衝撃を受けていると、舞い上がる黒煙の中から二人のネコミミ少女が姿を現した。



「けほっ、こほっ。イコ姉、いきなり火の秘薬を爆発させるのは止めてほしいにゃ。オレの尻尾が焦げちまったにゃ」



 一人目は艶のある黒髪をツインテールにした、気の強そうなネコミミ少女だ。


 オレっ娘黒髪ツインテールネコミミ娘……。


 少し属性を盛りすぎじゃないか? いや、むしろ悪くないか?



「んー。なんかミコがピンチみたいだったからー、多めに使ってみたー」



 もう一人は間延びした話し方をする黒髪ロングのネコミミ少女だった。

 眠たそうに半分目を閉じていて、気ままな印象を受ける。


 さっきまで御者台に座っていたネコミミ少女も含め、全員顔立ちがよく似ていた。


 間違いない。


 彼女たちこそミディエラの言っていた三つ子で行商人をしているネコミミ少女たちだ。


 ネコミミとネコミミとネコミミ。最高かよ!!



「助けてくれておおきに!! でも商売道具の馬車ごと爆発させてどないすんねん、馬鹿イコ姉ちゃん!! ニコ姉ちゃんも止めぇや!!」


「悪いのはー、襲ってきたあっちー」


「そうにゃ。あたしらを責めるのはお門違いにゃ」



 揉める三人を尻目に、俺はどうやってこの少女たちを生け捕りにしようか考える。


 正直、わくわくが止まらない。


 俺は今までは身の周りの安全を確保するために戦ってきた。

 今回も武器を得るためという大義名分はあるが、何よりネコミミ少女を俺の女にしたい。


 この戦い、絶対に負けるわけにはいかない。



「ニコー、あとは任せたー」


「言われなくても分かってるにゃ!! イコ姉はミコを連れて下がっとけにゃ!!」



 ……ふむ。


 会話から察するに、間延びした話し方をするネコミミが長女で名前はイコ。


 オレっ娘ツインテールが次女のニコで、飴ちゃんくれそうな言葉使いの黒髪ショートカットが三女のミコか。


 なんというかこう、名前が安直だな。覚えやすくて助かるけど。


 ただ一つ気になるのは……。



「獣人は、そのエグい角度のハイレグとニーソックスが普段着なのか?」


「「「へ?」」」


「……まあ、いいや」



 ネコミミ少女たちはいずれも際どい破廉恥な格好をしていた。


 細かな意匠の違いはあれど、全部エロい。


 大事なところが見えてしまいそうなエグい角度のハイレグと、細いながらも肉付きのいい太ももを強調するニーソックス。


 エロい。エロすぎる。


 しかも三人にはエロい格好をしている自覚がなさそうなのが更にエロい。


 俺はネコミミたちのエロい格好にますます息子を元気にさせながら、降伏を促すために一歩前へ出た。



「大人しくするなら捕虜として丁重に扱うぞ」


「はっ!! ゴブリンの言うことなんか信じるわねないにゃ!! というか、お前がリーダーにゃ?」


「そうだが、それがどうした?」


「だったら話は早ぇーにゃ!! お前をぶち殺して、それで終わりにゃ!!」


「!?」



 次女のニコは速かった。


 きっと三人の中で護衛のような役割を担っているのだろう。

 戦いを熟知している者の動きで、ルーシアも反応が遅れてしまった。


 当然ながら俺が反応できるはずもなく、瞬きをした次の瞬間にはニコの鋭い爪が目の前まで迫っていた。


 しかし――



「うにゃっ!?」



 ニコが俺の首に爪を振り下ろそうとした刹那、短い悲鳴と共にその手が止まった。


 見ればニコは頬を赤らめ、呼吸を荒くしている。



「か、身体が、思うように動かにゃい……オレに、何したにゃあ……?♡」


「お、おお、ミディエラの言った通りだな。猫獣人はマタタビで酔っ払うのか」


「マ、マタタビぃ?♡」



 マタタビとは、あのマタタビだ。


 こっちの世界にも存在していたようで、ハイデ村周辺の森に自生している。


 このマタタビは猫の獣人を酔っ払わせる効果があるらしく、人間で言えばお酒に近い嗜好品だそうだ。


 そして、ハイデ村で採れるマタタビは質がいい。


 このネコミミ少女たちがわざわざハイデ村まで行商に訪れるのも、このマタタビが目当てだとか。



「マタタビを磨り潰して身体に塗っておいて正解だったな。さーて、ここからはお楽しみの時間だ」


「にゃっ♡ さ、触るにゃあっ♡」



 酔っ払って上手く力が出せないのか、俺の力でも簡単に押さえることができた。



「ニ、ニコ姉ちゃん、何してんねん!! さっさと正気に戻ってや!!」


「残念だが、貴様もああなってもらうぞ?」


「え? うにゃっ!?♡」



 ルーシアが音もなくミコの背後に忍び寄り、マタタビを磨り潰したものを無理やり嗅がせた。



「にゃ、にゃあんっ♡ あ、あかん、頭がふわふわして何も考えられへんわっ♡」


「むー、ニコもミコもずるいー。イコもマタタビキメるー」



 長女のイコに至っては自分からマタタビの匂いを嗅ぎに行ったが……。


 とにかく、これでネコミミ少女たちは全滅。


 マタタビとの相乗効果か、淫紋はその日のうちに彼女たちの下腹部に浮かび上がってきた。


 俺はネコミミ三昧を満喫するのであった……。







―――――――――――――――――――――

あとがき

どうでもいい小話


作者「オレっ娘黒髪ツインテールネコミミ少女という属性の盛り具合、反省はしない」


ア「よくやった」



「関西弁のネコミミ少女は笑う」「銃とか作りそう」「作者よくやった」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。

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