第6話 くっころ女騎士と命乞い




 ゴブリンリーダーに進化を果たして数日後。


 俺は森の開けた場所でロリエッタから教わった魔法の練習をしていた。



「――ファイヤーアロー!!」


「流石はダーリンなのじゃ。基礎とは言え、たった数日で魔法を習得するとはのぅ」


「ロリエッタの教え方がいいからな」


「むふふ♡ ダーリンに褒められるとお腹の奥が疼くのじゃ♡」



 しなだれかかってくるロリエッタが可愛いくて、そのまま青空の下で合体する。


 木にロリエッタの手をつかせて、後ろからガンガン責めまくった。

 ロリエッタもこの姿勢が一番深く届くようで、知性の欠片もない蕩けた表情を見せる。


 と、その時だった。



「おいおい、なんか変な音が聞こえ……て……」


「え? お、女の子がゴブリンに犯されてる!?」



 俺はちょうど茂みから出てきた二人組の冒険者とバッチリ目が合ってしまった。


 十代半ばの少年たちだ。


 一人は背に長剣を担いでおり、もう片方は弓を手に握っている。



「……」


「「……」」



 訪れる一瞬の沈黙。


 ロリエッタの「んお゛っ♡ ダーリンの凄いのじゃあっ♡」という喘ぎ声だけが静寂の中で響いていた。


 ええと、これはどうすればいいんだ?


 俺が対応に困っていると、ロリエッタが迷わず呪文を詠唱し、少年たちに向かっていきなり魔法を放った。



「――ブラストウィンド、なのじゃ」


「「ぎゃああああああああああっ!!!!」」



 刹那、少年たちを凄まじい暴風が襲い、吹き飛ばされてしまった。


 少年たちが地面に激突した拍子に気絶する。


 お、おお、ロリエッタは容赦がないな。ちょっと少年たちに同情しちゃったぞ。



「ダーリン、どこを見ておるのじゃ♡ 今は儂だけ見ていてほしいのじゃ♡」


「あ、ああ、そうだな」



 ロリエッタとのエッチを再開し、スッキリしたところでルーシアがやってきた。



「い、今の音はなんだ!? 何かあったのか!?」


「おお、ルーシアか。お主、ダーリンの騎士を名乗るくせして来るのが遅いのじゃ」


「ぐっ!! い、いや、それは、魔法の修練でお疲れのアース様のために食事を用意しようと思って、だから、その……ごにょごにょ……」



 ルーシアは騎士として様々な訓練を受けていたらしく、俺たちの中で最もサバイバル能力に長けている。


 木の実やキノコの毒の有無も分かるため、食料調達は彼女に任せているのだ。


 だから多少の別行動は仕方ない。


 そう何度も言っているのだが、本人なりに気にしているらしい。


 と、ちょうどルーシアがやってきたタイミングで少年たちが目を覚ました。

 無論、反抗できないように気絶してる間に武器や防具は全て取り上げておいたので安心だ。



「うっ、あ、あれ? オ、オレ、何を……」


「え、お、女の人? って、なんで裸!?」



 真っ先に少年たちの視界に入ったのは、一糸まとわぬルーシアの姿だった。


 顔を耳まで真っ赤にする少年。


 まあ、ルーシアはボンキュッボンのナイスバディーだからな。

 健全な青少年たちにはかなり刺激が強すぎるのだろう。



「見たところ低ランクの冒険者のようだな」


「いくら魔王軍の相手で手が足りんとはいえ、国が低ランクの冒険者を雇って森の調査へ行かせたとは考えにくいのじゃ」


「ふむ、少し尋問する必要があるな」



 魔王軍、か。


 魔界から出てきて地上を侵略しようとしているらしいが、少し見てみたい気もする。


 ザ・ファンタジーって感じで気になるし。


 でもまずはこの冒険者たちを尋問して、雇い主を吐かせないとな。


 俺は今まで森に入ってきた冒険者を徹底的に殺してきたが、それでは根本的な解決にならないとルーシアたちに教えてもらった。


 冒険者が森に入ってくるのは、依頼を受けて魔物の間引きや素材の採取をするためらしい。


 その雇い主をどうにかしない限り、冒険者は何度もやってくる。

 今後も森で生きていくなら解決しなきゃいけない問題だ。


 ……いや、別に森で生きる必要はないか?


 

「お、俺たちを雇ったのはこの森の近くにある村の村長だよ!!」


「ふむ、あっさり吐いたな」



 ルーシアは容赦なく少年たちを尋問し、依頼主を吐かせる。



「お前たちは用済みだ」


「え? ま、待っ、何する気だよ!?」


「お、おい、やめっ――」



 少年の一人をルーシアが斬り捨てる。


 あまりにもあっさり人を殺したルーシアに、少年は震えながら言った。

 


「な、なんで殺すんだよ!? アンタは人間だろ!? ならオレたちじゃなくてそっちのゴブリンを殺せよ!!」


「私はアース様の騎士。アース様の敵が私の敵だ」


「ひっ、ま、待ってくれ!!」



 少年はその場で額を地面に擦り付け、命乞いをしてきた。



「命だけは!! 命だけは助けてくれ!! ここで見たことは誰にも言わない!! 村の連中にも森には二度と入らないよう説得するから!!」


「命だけは助けてくれ、か。ふん、情けない奴め」


「……いや、ルーシアだけは人のことを言えないと思うが」


「む? アース様、どういう意味だ?」



 本当に分からないのか、ルーシアがもう一人の少年を斬り捨てながら小首を傾げる。

 俺に土下座で命乞いして生き延びたことを忘れているのだろうか。


 ……忘れてるんだろうな。



「さて、ダーリン。これからどうするのじゃ?」


「どうするって?」


「このまま放置しておけば冒険者は何度も来るはずじゃ。それも事態を重く見た冒険者ギルドが高ランク冒険者を寄越しても不思議ではない」


「現状は魔王軍との戦争で国が動くのは難しいが、近いうちにまた騎士も派遣されるだろう。アース様、何か策を打たねば」


「……ただの思い付きなんだが」



 俺はもう人間じゃない。ゴブリンだ。


 だからこそ、今の俺は自分のために血も涙もない選択ができる。


 その選択とは――



「村、滅ぼして乗っ取ろうと思う」



 男は一人残らず皆殺しにして、女は俺の『淫紋付与』で従わせるのだ。


 ハーレムメンバーも増やせて安全も確保できる上、村という今よりも更に文明的な生活環境を得ることができる。


 メリットしかない。


 ルーシアとロリエッタは互いに顔を見合わせて、恍惚とした表情を浮かべた。



「ああ♡ アース様のお役に立てることを想像したら興奮してきたな♡」


「むふふ♡ 悪い顔してるダーリン、カッコよすぎて濡れるのじゃ♡」



 俺たちは巣穴に戻り、村を乗っ取るための計画を練ることにした。



「あ、そうだった。アース様、実は一つ報告したいことがあるのだが」


「ん? なんだ?」


「実は食料調達をしていた時に――」



 ルーシアからの報告を聞き、俺は村の乗っ取りが成功すると確信した。


 その数日後、計画は動き出す――







―――――――――――――――――――――

あとがき

どうでもいい小話


作者「美少女や美女が悪い男に染められて悪い女になると興奮するよね」


ア「えぇ……」



「少年たちが可哀想すぎる」「ルーシアは人のこと言えなくて草」「寝取られはNGだけど分かる」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。

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