法律家
ヤグーツク・ゴセ
第1話 入学
僕は一体どこに来たんだろう。ここから、僕はどこまで行けるんだろう。
僕はその時、走った。とにかく走っていた。
「くそ...!1限に間に合わない...!」
端ヶ台法科大学院(以下「ロースクール」とする)の1限は10時から始まる。金欠の中頑張って買った青い腕時計を見れば、9時47分。絶望的な数字。ここからロースクールまでは校庭一周分はある(校庭の一周の長さは学校による)。
「ここで諦めたら、欠席になってしまう...」
地面を一回見て、歯を食い縛る。走り続けた。思えば、僕の人生はずっとこんな感じだったと思う。残念なことに、今は走るのに精一杯で回想には入れない。
青く透き通った空にも気づかないまま、僕は走り続けた。一瞬、夏の新しい暑さを肌で感じた。
やっと端ヶ台法科大学院のエントランスに着いたと思えば、エレベーターが来ない。
「どうなってんだ、ここのロースクールは...もう、やめたい」
疲労困憊の中、使えないエレベーターを待っていると後ろからやってきた、彼が。
「おはようですわな。」
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