しかし幸い、そのような未来は訪れないかもしれない。(将来の人口が減っていく前提として)
この小説を読み、思わず深く考えさせられた。
物語が語るその中身は重く、心を落ち着けて読み解く価値がある。
社会がどうあるかで、人は形作られる。人がどうあるかで、社会もまた形作られる。
幸いなことに、時代が進み、高等教育を受けられる人が増えるにつれ、社会もまた変わっていく。
少なくとも、過去に起こったのと同じ悲劇は、同じ形ではもう繰り返されないだろう。
それは、動物の遺伝子に刻まれた生存本能のように。猫が緑のキュウリに驚くように、人が単純な罠を見て身を引くように。
私たちは「未来」に何が正しいかを知ることはできない。
しかし、少なくとも何が間違っているかは、知ることができる。
その意思を自らの行動で示し、社会の中に伝えていくこと。長い目で見れば、それは必ずや実を結ぶことだろう。
私は復讐劇が嫌いだ。
酷い目に遭う描写にストレスが溜まるし、やり返した後に爽快感を感じたこともない。恨みの連鎖があるだけ。
それに見たい、聞きたいのは、「復讐はよくない」あるいは「復讐はスッキリする」なんてフィクションじゃない。
具体的に
復讐を止めるメリット
それか、
復讐を遂げる術を教えてくれ。
人をこの手で終わらせたいと思うほど、例え己が身を犠牲にしようとも、人類を滅ぼしたいと思ったことはあるか?
あぁそれなら
人類を愛するメリット
それか、
どうやって人類を滅ぼすか、具体的な方法を提示してくれ。
本作は1つの答えを提供する。
序盤は私小説であるかのように、重苦しい閉塞感で動機が描かれる。
中盤はうってかわって、エンターテインメント性のある快活な展開を見せる。何ならギャグもエロもある。
そして終盤、タグで設定されているように、物語は結末を迎える。
私も狙うなら、どうにかして人を稼働させる構造を落とさねばならないと考えていた。しかしそこまで現実的な筋書きを導けなかった。
本作は1つの答えを提供した。