男よ!トイレを抱いて死ね!
縞間かおる
第1話 初めて付き合った男
初めて付き合った男からドライブに誘われ、目一杯おしゃれして迎えに来たクルマに乗り込んだら……クルマの中は“ドリンクバー”状態だった。
コーヒーや紅茶を詰めた水筒が10本もあり、男のウンチクと共にそれを連続で飲まされる。そのトリである10本目の“コピ・ルアク”が詰まった水筒を男が取り出した頃には……高速道路の渋滞が酷くなりクルマは殆ど前に進まなくなった。
そして……コーヒーや紅茶を9杯も飲まされた私の尿意も冷や汗と共に酷くなっていた。
私は鼻を膨らませてウンチクを語ろうとする男に「次のサービスエリアへ入って欲しい」と懇願し、男は途端に不機嫌になった。
それからお互い無言の長い時間が過ぎ、ようやくサービスエリアへ辿り着き、やっとの思いでクルマから出た私を待ち受けていたのは女子トイレの長い行列で、目の前が真っ暗になって、その場にへたり込んだ。
クルマから降りる私を一瞥した男の物凄く不機嫌な顔も目の前にチラつくし……
もう背に腹は代えられない!!
私は顔を伏せ、男子トイレへ駈け込んだ。
やっとの思いで
「えっ?! 場所を間違えた??」
と戸惑っているとスマホにメッセが入った。
『男女の見境の無い下品な女の乗る席は無い!』
私はサービスエリアに放置されたのだった。
それからどんな苦労をして家へ帰ったのかは敢えて書かないが……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます