第12話 番外編 吉岡秋桜(2)

友達に合わす顔がないから、と無理矢理参加させられた学校占拠。


レッド隊に配属されて、トランシーバーで情報を流す役割をさせられている。ほとんどのやつは、トランシーバーのアンテナをいじって遊んでいる。


(みんなでやると回線が混み合うことが当日になって発覚して、人事異動が間に合わなかったから)

そうして遊んでいると突然パトカーのサイレンが鳴って、仲間の情報によると、占拠の情報を受けて、警察がやってきたらしい。

『バカなことはやめなさい。大人しく出てきなさい。』

そう、警察官の声が聞こえると前嶋が、

『今からいうこと全校放送で流して。』

『は〜い』

『警察のみなさん。朝早くからご苦労様です。でもね、大人にわからない子供の事情ってのもあるんですよ。そこは引っ込んでいただきたい。』

『そうは行きませんね、特殊事件捜査係S I Tを呼ぶしかないですかね。我々だってできればこういう手は使いたくはない。仕方がない本当にいいんですね。』

『こちら前嶋。どうぞ例の作戦でお願いします。』

そう言われると、僕はもう1人の仲間と屋上に向かい、大量のチラシを持って待機した。

グリーン隊が2階からLPガスのボンベを落とし、割ってガスを流出させたところで、マッチを投げ入れて、爆発させた。パトカーはそれで引火し、大爆発を起こした。

先ほどのパトカーよりも大きな音で、爆発し、灰色の煙を上げた。

警察官は直前で逃げきったみたいだ。

「おいレッド別動隊、今だ。チラシを屋上からばら撒け。できるだけ遠く」

『はいよー』

そう言われて僕は内容をよく見ずにチラシをばら撒いた。

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