第1話 作戦の開始
ある山奥の町に、全校生徒が103人の中学校がありました。
その中学校は町が運営していて、その名も
『柿田橋町立柿田橋中学校』
しかし、とても校則はブラックで、例えば
・廊下を走れば、親を呼び出して、説明
・ハンカチを持っていなければ指導対象
・キーホルダーをつけてきてはいけない
・恋愛をしてはならない
このような校則が、50年近く猛威を奮ってきたわけですが、やはり反発した者もいました。
ただ大抵が、これまでは失敗に終わってきました。
ただしかし、今年の新しい1年生は違います。この校則を変えるために動き出したのです。
放課後に密かに集まって
『柿田橋中学校解放戦線』
なるものを作り、学校を占拠することを企てたのです。
このお話は、その解放戦線が、どのように戦うのかを追いかけていきます。
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2025年4月30日。
先輩から校則のくだらなさを聞き、去年の終わりから、密かに計画していたものがついに明日実行なのである。
学校から少し離れた公園に一年生全員である32人が集まり、リーダーの前嶋が話し始めた。
「明日実行。宿題はふたつ。よく寝てくること、リュックの教科書を抜いて、各自の武装を入れてくること。じゃ、いきます。」
前嶋がみんなをぐるっと見渡して、拳を握り声を出す。
「えいえい」
それに続いて、前嶋以外の32人が、
「おー!!!!」
と続いた。
みんなが明日のことを考え、胸を高まらせていた。
あのくだらない校則を変えさせるために、誰も彼もが、BB弾やNERF銃(子供向けトイガン)だのを持ちより、学校を占拠し、校長に直談判をしに行こうというのだ。
そして、5月1日実行の日の朝日が昇った。
今日は大きく『Kakitabasi.J.H』と書かれたバックには教材は入っていない。
今日も普段通りを装い、地域のおじいさんおばあさんに見送られて中学校へとむかっていく。
いつも通り門には校長が立って、挨拶をしていた。もちろん校則の関係であいさつはしなければならない。
人数が少ないので少ないので、一学年は一クラスである。
1年と書かれた教室には、いつもより10分から15分ほど早く皆が揃っていた。
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