銃の世界で生きていく

文読みの翁

第1話

僕は中学校の帰り道、銃を持っている男の人三人組を見た。

恐ろしげな男たちは薄茶の軍服らしき物を着て、堂々と歩いていた。

僕は見つかったら殺されると思い慌てて塀に身を隠して、見つからないように体を目一杯縮めた。

男たちが通り過ぎてからも、なるべく音を立てないようにその場から逃げ出した。

出来る限り静かに走りながら思った、(今考えたらただのモデルガンを担いだお調子者の集まりな気がする、何を怯えていたんだろう)僕は少し息を荒くしながら一度止まり、また歩き始めた。

家はすぐそこ!という道まで来るとママからスーパーにお使いを頼まれている事を思い出して、ため息をつきながらスーパーに向かった

しばらく歩いていると、そのスーパーの方から、破裂音が連続して聞こえた。

さっきの男たちのせいで、銃声にしか聞こえなかった。

やっと到着したスーパーには、かなりの人数の軍服姿の人たちが、客をでっかい車に乗せているところだった。

そして戦慄している僕はその軍服に見つかった、とりあえず両手を上げた。

軍服は仲間に僕のことを伝えて、僕のもとへ二人を差し向けた。

軍服「ぼーっとしてないでお前もこっち来い!」

そう怒鳴るとこちらに銃口を向けながら、僕を縛りでかい車に僕を乱暴に乗せた。

車の中には血が滲んだブルーシートに包まれた何かと、震えながらこちらを見る子供二人、女の人一人、お爺さん一人が地獄を見たような表情で座っていた、みんなも僕と同じように手足を縛られていた。

車はやがて発車した、僕らをどこかに連れ去るようだ。

長い間静かにしていると、血生臭い匂いとは別に、何か不吉で嫌な匂いが立ち込めた。

子供が涙ぐんだ目でどこかを見つめている。

自然と、僕はこれから死ぬんだと思った、そんな時だった。

車が減速して、そして停車した、目的地に着いたようだ。

車のドアが勢い良く開けられて、外に放り投げられた、他にいた人たちも同じように放り出された。

周りを見るとそこは公園に建てた即席の軍事基地のようで、軍服が沢山いた、どうやら軍服は本当に軍の人らしい。

周りを見渡していると軍人がブルーシートの処理をしている、見ていると中から出てきたのはおばあさんだった、軍人はおばあさんを見せしめに殺したようだった、その証拠に、死体を爪先でつついてほくそ笑んでいる。

こんな野蛮な奴らの拠点の中にいると思うと恐ろしくて動悸がする。

泣きそうになっている僕を横目に、軍人はカメラのセッティングを始めた。

位の高そうな軍人がこちらに来て、ピストルを女の人に向け、発砲した。

カメラに向かって、その軍人は言った。

「お前たちが国土を譲らない限り、殺戮を繰り返してやる、」

続けて、泣き叫ぶ子供二人を迷いなく射殺したあと、僕の方に銃口が向けられた。

その時だった、位の高そうな軍人の頭半分が弾けて破片を散らして膝から崩れ落ちた。

軍人たちは素早く遮蔽物に隠れたが、次々と頭や体に風穴が開けられていく。

ついには残り少なくなったところで、完全武装の人たちが軍人たちを取り押さえた。

僕とおじいさんはその人に保護されて、もといた街へ帰ることが出来た。

帰る途中、助けてくれた人にあの人たちはなんなのか聞いてみたら、

「この国の領土が敵国に狙われているんだ、じきに戦争が起こる」

と言った。

張り詰めた気分のまま僕は銃を密かに銃を盗んだ、生き残るために。

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銃の世界で生きていく 文読みの翁 @fumiyomino-okina2

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