第34話
その8
チヅルの確信犯的な挑発発言は、律也の心裏を直撃した。
そして彼は、即反応する。
「僕はユウトとは友達なんですよ!ヨーコさんとの仲をジャマなんかするわけないでしょ!」
彼はもろ、ムキになって、やや大きな声でそう訴えた。
ユウトだけでなく、彼女のヨーコにも…。
そして、隣でほぼ体が接触している年上のお姉さんである、チヅルにもであった。
「それ、きれいごとじゃん?ユウト、ヨーコのカダラを触りながら…、ああ、これ、愛撫ね。それ中もだよ…、アンタから視線外してないんだよ。うふふ…、それってさ、ユウトは同性の同級生のさ、河合律也が性的興奮してる対象者になってるってことだわ。…ヨーコ、いいの?アンタ、ユウトのエッチのさ、噛ませ犬になってるんじゃないのー?アハハ…」
「うっせーよ、チヅル!アンタこそ、律也の気を自分に向けてみなさいよ!その子も、アンタの体触っても、ココロとアタマはユウトってんじゃ、チヅル自慢のエロエロボディーも律也には噛ませ犬だっての!」
早熟極まる女子高生二人は、なんとも実直すぎる喧々諤々をおっぴらにぶち上げ、年下のユウトと律也はエロいお姉さんたちに圧倒された。
***
だが、しかし…。
その間も、ユウトとヨーコはねっとりとイチャイチャして抱き合っており、二人が濃厚なディープキスを交わすと、その場は、まだそれモードに入っていない律也とチヅルをくっきりと浮かび上がらせるのだった。
それを見逃さなかったヨーコは、一旦濃圧な唇をユウトから話すと、チヅルにこう言い放った。
「チヅル…、どうしたのよ?律也、アンタのカラダに触れてもくれないじゃん?アハハ…、その子、チヅルより私の方に興味あるのかもよ?」
ヨーコのけしかけに、チヅルは乗った。
「律也君!ユウトのココロとカダラをモノにしたカレのカノジョはそう言ってるけど…。そうなの?違うなら、オトコなんだから、そこでもじもじはやめて!どうなのよ⁉」
すると…。
律也はユウトに引き付けられていたその視線を、隣のチヅルに向け、まるでイノシシの突進のように、彼女のカラダに抱き着いた…・
”わー!”というヤケ声を伴って…。
「律也…💖」
チヅルは覆いかぶさる律也の半身を受け止めると、彼の頭を両の手で抱え込み、間髪入れず唇を重ねた。
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