第6話 女の子の香り♡①

『私達には間違っても挟むが無いからね!』


 が掛けられないように前置きして、お母さんから借りて来た『キラービーはいちご味』全6巻を……

 今、聖也が読んでる。


 私のベッドの上の山は1、2巻と4、5、6巻に振り分けられ……聖也の手に持った3巻がもうすぐ終わる。 


 と、いう事は……


 聖也がバレないように用心深くしても……

 コクリ!と唾を飲み込む音を私は聞き逃さない!


 だって、“そういうエッチな箇所”なんだもん!


『リボンのゴムが片方引っかかったままのスクールシャツのボタンを“キラービー”が外していく』シーン!!


 モノクロなのに……私、ヒロインの“綾ちゃん”の胸元の色が分かる気がして……食い入るように見たページだから、よく覚えている。


 でもそこから先は……次の巻なんだよね~


 いじわるな私は山の一番上の4巻をスイっと奪い取って、読むふりをする。


「ン? はあ~」

 とため息をつく聖也の……上気した、ジトッとした視線を感じる。


「してやったり」と言う気持ちよりドキドキの方が全然大きくて……

 私は平静を装うのに必死だ。

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