インドラの誕生

【ネグレクトされた子】

大地プリティヴィー。

彼女は英雄的女性である。


天ディアウス。

彼は精力的な神である。


二人は全ての神々と人間の生みの親とされている。



◆◆◆◆◆


その日、プリティヴィーは新たな子を生み出した。


彼女の脇腹から誕生したその子供は、黄金の肌を持ち、眩いばかりに輝いていた。



「きゃっ、眩しいっ。直視できないわ。」



スチャッとサングラスをかけ、生まれた子供をあやす。


インドラと名付けた小さな息子。


その無邪気な笑顔に癒されるプリティヴィーだったが、それは束の間の事でしかなかった。


この子供の誕生に、天と地と山は震え出し、神々は恐れを抱く。



『この子はやがて、司法神ヴァルナの地位を奪うだろう』



そう予言されたのだ。



「そ、そんな事、畏れ多いわ……。成就させちゃいけない……。」



予言を恐れたプリティヴィーはインドラを隠し、放置する。

酷い仕打ちだが、神々は誰も救い出そうとはしなかった。


なぜなら神々は、インドラは神聖秩序に、そして自分達の運命に大変動をもたらす先触れであると感じたからだ。



そして彼らの予感は、やがて的中する事となる。

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