SHINTY的インド神話

SHINTY

創造神ブラフマー

娘から妻へ

【サラスヴァティーの誕生】

まだブラフマーの首が1つだった頃。

創造神である彼は、数々の造物主(総称プラジャーパティ)と、多くの聖仙りしを生み出した。


そんなある日、彼はふと思う。



「独りって寂しい……。」



ほんとに思ったかは分かりませんが(笑)



「よし、可愛い女の子でも創りますか。」



で、自分自身の体を材料にして、女性同伴者を創っちゃった。


自分の身体から生み出した彼女は、言わばブラフマーの娘のようなもの。


ところがこの娘、想像以上に美しかった。

あまりの美しさに、思わず見惚れてしまうブラフマー。



「まずい……。娘のつもりで創ったのに……。」



目が離せない。



「初めまして、お父様。あの、私の名前は何ですか?」



無邪気な笑顔で小首を傾げて尋ねる娘。


ズッキュ~ン!


はい、撃ち抜かれました。

自ら創った娘に。

創造神であるブラフマーのハートが。



ああ、もう、どうでもいい……。

父と娘でも関係ない……。


あ。私、創造神なんですよね。

彼女だけじゃなく、生き物すべてが我が子になるじゃないですか。


という事は、娘と言っても娘に有らず……?



な~んて考えに至ったのか、ブラフマーは彼女を愛してしまいました。



「貴女の名前はサラスヴァティーですよ。」



「は~い、分かりました~。宜しくね、お父様。」



うふっと笑った彼女にハートを鷲掴みにされちゃった。



「サ、サラスヴァティー……。お父様と呼ぶのはやめて下さい……。貴女を創ったのは私ですが……娘だとは思っていませんから……。」



きょとんとするサラスヴァティー。



「そうなの?じゃあ、一人の女性として創ったの?」



「そ、そうですよ。ですからお父様とは呼ばないで下さいね。」



首を傾げながらも、ふ~んと納得する彼女。



「じゃあ、何て呼べば良いの?」



『ダーリン』

な~んて言葉が頭をよぎったけど、さすがにそれは口に出せませんね(笑)



「……ブラフマーで良いですよ。」



「ブラフマーね。じゃあ宜しく、ブラフマー。」



「は、はい、宜しく……。」



ハート撃ち抜かれまくりです。


サラスヴァティー、確信犯?



まあ、そんなこんなで二人は恋に落ちたそうです。

経緯は知らない(笑)



ところがです。

彼女に対するブラフマーの執着心は凄かった。

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