イかれた乗客

男1「私、飛行機が怖いんですよ」

男2「はぁ」

男1「昔、雑誌で飛行機事故で死んだ人の遺体を見て以来、怖くて怖くてたまらないんですよ」

男2「へぇ。それなら、どうして今日は飛行機に乗ることにしたんです？」

男1「妹の葬式で仕方なく……」

男2「それはご愁傷様です。でも大丈夫ですよ。飛行機は滅多に落ちませんから」

男1「はは、そうですよね」

男2「ところで、あなたの座席の下からカチカチと音が聞こえるんですが」

男1「ああ、爆弾です」

男2「爆弾！？」

男1「そんなに驚かなくても大丈夫ですよ。制限時間を見た限りだと、このフライト中に爆発する心配はありませんから」

男2「もしもそれが嘘だったらどうするんですか？」

男1「はっ！　そうですよね」

男2「ちょっとちょっと爆弾持ってどこに向かうつもりですか！？」

男1「いや、非常口から爆弾捨てようと思って」

男2「危ないですよ。今、フライト中ですって」