第6話 塔の技術

「いやはや、今日も遅くなってしまいました。服を選んでるとどうしても時間がかかってしまいますね」

 路地裏から大通りに出てくると、手をかざして青空を見上げる。今日は外も晴天。

「こういう日は、やはり青いスーツですよね」

 金髪の整った顔つきの彼はスーツをピシッと決めて満足そうに道を歩いて掃除屋ビルを目指す。手袋にスーツ姿。鞄は持っていない。一見、出勤しているのか疑わしいほど軽装。

 掃除屋ビルに着くと、ふとお腹に手を当ててから、1階のコンビニに入る。30分ほどしてから出てくる。やっと掃除屋ビルのエレベーターに入り、彼の事務所である8階のボタンを押す。

「おせぇ、今何時だと思ってんだ」

 扉を開ける。瞬間、罵声とコントローラーが顔面に直撃する。扉を開けた者が誰か確認したとは思えない早さだ。顔から滑り落ちるコントローラーを左手で受け取る。何時かと問われ、右腕の時計を確認する。微笑むペテン師。

「13時ですね」

「お昼ご飯の時間でしょーが!格ゲーのレーティングアホほど上がったわ!腹も減ったわ!!」

「そうなんですか?僕もお腹が空いていたので、先ほど済ませてきましたよ」

 収集家の蒼とエメラルドグリーンがよく見える。今日はいつになく遅かったこともあり、いつも以上に激昂している。誰が見ても分かる。あげくの果てには、ご飯も食べずに待っていた収集家に食べてきたと言う始末。周囲の空気が一瞬軽くなり、収集家が気持ち大きく見える。背後にボクサーのゴーストが見えそうな気迫。いや、居る。

 揺れる白と蒼、エメラルドグリーン。不規則かつ高速に揺れるそのどれもが残像を作る。速い。ドッ、最初の拳がペテン師顔面を捉える。2発、3発、速度が徐々に上がる左右の連打と揺れ。的確にペテン師の顔面を狙い続ける。1撃1撃腰の捻りが加えられた乱打。殺意すら感じる。ついでに絶え間なく、胸も左右に揺れる。トドメの回し蹴りで踵がペテン師の側頭部に刺さり、執務室の壁に飛んでいく。

 あらゆる物を巻き込みながら倒れるペテン師。壊れる諸々。ペテン師を殴るために少し浮いていた収集家が、靴の機能を切って床に足をつける。もういつも通りの収集家だ。

「頭は弱点だよ」

「だから狙ってんだよ!」

 解体師は携帯端末でゲームしながら、視線を送ること無く収集家に注意する。

「いふぁいふぇふ」

「ほら行くぞ」

 顔面をボコボコにしながら、起き上がってペテン師が涙目で戻ってくる。

「収集家ちゃん」

「ありがと、じゃ」

「いっへまいりまふ」

 解体師が入り口に向かって無造作にパンを投げつける。収集家がそれを受け取ると礼を言って口にくわえて出ていく。ペテン師はボコボコな顔のままでも決め顔で、ゆっくりと扉を閉めて出ていく。

 彼らが出ていくのを確認すると、所長は手元の資料にサインする。ふと、ペテン師が倒れた辺りを見つめ

「解体師、そこ片付けとけよ」

「ほらすぐ俺に後片付けやらせるじゃん!やーだー!」

「うるさい、やれ」




 ゴーストタウンの廃墟ビル内で取引が行われる。彼らが目的地に向かう手段は9区の空中自転車である。動力付きのため、歩く程度の労力で時速20kmを簡単に出せる。ハンドルで高度を調整して移動できる。高層ビル20階程度の高度まで上げられる。あまり角度をつけると落ちるため、高度調節はゆっくり行う。高級品のため、表の人間はほとんど持っていない。

『15区の門との取引でにっちもさっちも行かなくなったみたいですね。今回の依頼主は取引相手の掃除です』

「あほくさっ。私ら使うくらいなら、もう門辞めたら?」

『新門なので、構成員の未熟さ故でしょう』

「まぁ、13区の一門が開いた今、次の一門を目指す事自体は結構だけどさ」

『『首刈り』、門としては他区の一門と比べると中堅でしたが、繋刃は解体師さん曰く、キングに匹敵するらしいです』

「きもっ、そんなの瞬殺したの?あいつ」

『手加減できなかったらしいです。最初の技を見て殺すしかなくなったと言っていました』

「…そうね、あいつは余裕がある限り、相手の技を全部見るもんね」

『死にゆく者に対する礼儀、でしたっけ』

「…私にそんな余裕はまだないよ、解体師。あ、ついた。じゃぁ、またね」

『収集家さん…』

 移動中、ペテン師に自転車を漕がせ、後ろに座っていた収集家。任務概要を事務から聞いていた。そのまま雑談に話は逸れたが。収集家の東京の空を見上げて遠い目をしていた。

 目的地の廃墟ビルの屋上。自転車を止めてペテン師が身だしなみを整える。収集家は背負っていた巨大な鞄から、白い機械を取り出して被る。手にはコントローラーを持ち、ゲーム、もとい、仕事を始める。

「カメラはないから、慎重さは不要。この辺で通信してるっぽいのは…やっぱここだけね。5分後遮断するからいつもどおりよろしく」

「かしこまりました」

 収集家の指示を受ける。屋上から階段を下りて、ターゲットである取引相手を探す。ペテン師は階段を無警戒に足音を平然と立てる。静かなゴーストタウンで、この足音は廃墟ビルによく響く。

「なんだ貴様、『ハイランス』には見えないが」

「近付くな!」

 ペテン師は今回の取引相手を待っている15区の門の構成員を見つける。近付くペテン師の顔は、優しくほほ笑んでいる。『ハイランス』とは、今回の依頼主の門のことである。

 近付くことをやめない。ペテン師に向かって拳銃を撃つ。足を止めない。段々焦りを見せた若い男が何度も引き金を引く。

 弾丸はペテン師の服に触れると、逸れて関係ない方向に跳ね返る。ペテン師の顔を隠すようにかざされた手で顔への弾丸もまた弾け飛ぶ。手の隙間から見える目を正確に狙い打たなければ、手袋か服に当たって逸らされる。

「なんだこいつ!」

「7区の服?!いや、だとしてもダメージは通るはずだろ!?」

「やだなぁ。そんな銃をバカスカ撃って、弾もお金かかるんですから程々にしたほうが良いですよ?だってーーー」

 5mほどまで近付く。若い男の最後の弾丸が合図。若い男の背後。若い男は身動きが取れない。ペテン師の服から伸びる無数の糸に、がんじがらめに絡め取られていた。手袋から伸びる糸は首を絞め、息が。止まる。泡を吹き倒れる。

「僕には全部無駄なんですよ。おわかりですか? 

「あっがっ?!」

「ふざけんな!そんな糸と服飾技術どこで手に入れたんだよ!?」

 もう一人の険しい顔の構成員。ペテン師が着ている服の糸が、一般的に販売されているものではない特別製であることがわかっていた。7区の服は高い防御力を持つが、ペテン師のスーツのような性能は異様なのだ。

「糸がとても高くて…お陰でいつもお金がありません。でも、こう見えて服は自作なんですよ?」

 一人目はもう動かない。糸が解けペテン師の服に収束する。まるで生きているかのように、ペテン師の意のままに服から糸が伸縮する。男の目に最期の覚悟の火が灯る。しかし、ペテン師は笑顔で彼に掌をかざした。手袋から伸びた糸が彼の見た最期の記憶。

「うえっ?!くっぷぁっ!」




 ペテン師が二つの死体を重ねて収集家が降りてくるのを待っていた。

『ねぇ、嘘でしょ?!すり抜けられてた!?え、いつから?!』

「え?どういうことですか?!」

 通信から唐突に焦った収集家の声が届く。何が起きているのかわからない。ペテン師は困惑する。死体を見る。

『こんにちは、7区のサーバーだった人。その服飾技術は知ってるよ?死んだって噂は嘘だったのかなぁ?あ、君の名前は知らないけどね。不思議だね?名前がなかったのかな?』

 唐突に光の粒が死体の隙間から飛び出すと、ペテン師の目の前で光が広がって人の形を作る。鼠の耳のカチューシャを付けた小柄な女の子だ。映像はまるでそこに立っているかのように、くっきりはっきり映っている。

「収集家さんの防壁を掻い潜って見ていたのですか?」

『確かにハッキングとプロテクトはすごいけど、あくまでそれは電脳戦。僕のは空間戦。空間ハッキングなら、電脳ハッキングを簡単に超えられる。15区の唯一に近いに攻撃的技術だよ。まぁ、出られないしデータを飛ばすこともできないことに代わりはないんだけど…』

 リアルタイムで自分の映像を投影させているのか、口の動きや仕草がしっかり映っている。無駄に歩き回りながら、早口気味に喋っている。コロコロ表情が変わって表情豊かだ。

「なるほど、映像という空間に潜んで、ずっと見ていたんですね。歴史が浅いので、使える人を解体師さん以外に見たことがありませんでした」

 15区の映像技術は、空間に展開する全てと言われているほどだ。そこから生まれた空間ハッキングと呼ばれる技術は、15区の技術の恩恵の一つである。この手の相手は深く聞くと、一生喋り続けることを知っている。だから、ペテン師は話を合わせる。

『はぁ、これだから電脳に毒されたこの社会はクソなんだよ。あーやだやだ。まぁ、その解体師くんとやらはセンスがいい。それはそうと、取引しよう』

「取引ですか?」

 表情豊かで情緒の不安定な人だ。と感じながら、ペテン師は話の続きを促す。

『どうせ、あいつらが収拾つかなくなって、君たちを使わせたんだと思う。けどぉ、君たちって中立でしょ?この違法取引。仮に僕が依頼すれば、逆に彼奴等を殺してくれるってことだよねぇ?』

「よく喋りますね。えぇ、仰っしゃる通り、依頼されれば、黒である限り手にかけるのが僕達の仕事ですね。もちろん貴方方には、規約に従っていただくことになりますが」

『いやぁ〜当たったぁ。やっぱり掃除屋ってちゃんと裏の顔あったんだね。探ろうとして何度も死にかけたから、気になってたんだぁ。いやぁ、良い収穫。規約とやらで依頼者に黙秘を強いるシステムなんだね。で、だ。黙っててやるし、今回の取引は僕から深掘りしないようにボスに伝えてやる。だから、僕の命は見逃してほしい。死にたくない。死ぬわけにはいかない』

 見逃せと言われ、目を細める。最後は賑やかな彼女にしては、真剣さを帯びていた。

「それを許すとでも?」

『いや、許すね。だってもう僕はワンボタンで表にさっきの映像を拡散できる』

「データを飛ばせないと言っていたはずですが?仮にできたとして、もみ消されるのがオチですよ」

『でも、疑念は生まれる。その可能性を君たちは見逃せないはずだ。一応教えておくと、安全に突破する手段がないってだけだ。君たち相手にそれくらいの時間くらいは稼げる。って言ってるんだよ。まぁ、100%逃げ切れず命を支払うから、絶対やりたくないわけなんだが』

 女の子はペテン師の顔に限界まで近付いて笑う。この映像、浮く。

「…分かりました。今回はあなたの取引に応じましょう」

『ありがとう。君みたいな話の分かる人は好きだよ。約束破るとどうせ、僕たちの門が開かれるのは目に見えてる。規約の内容は大体想定できるからね。じゃぁ、この映像を保存したQubeは下の階に置いていくよ。今日はこのQubeしかないし、お姉さんの支配下でQube無しに外に持ち出すこともできない。安心して良いよ』

 一頻り話すと、映像は光の粒となって弾ける。下の階から噴射音が聞こえる。空中を高速で飛行する何かが、どんどん遠のいていくのをペテン師は眺めていた。

「良かったの?」

 降りてきていた収集家。話を聞いていたようで、疑いの目を向ける。ペテン師の顔は、小動物に癒やされたような表情を浮かべていた。

「あんな可愛い人との因縁。運命じゃないですか?」

「何言ってんの???まさか、可愛いから見逃したとか言うなよ?」

「ははっ。そんなそんな。もちろん!」

 ニヤけた笑い。満更でもない顔。親指を立てて全肯定。軽快な蹴りの音が廃墟ビルに響き、壁が弾けた。




 ここは13区の端に位置する工業区。工場が並ぶ広大な工場群の一つ。箒使いと罠師の処理が終わった後の現場。清掃員とその後輩は、荷物をベルトコンベアで運ぶ、製造ラインを見下ろせる通路を歩く。

「相変わらず、塔の技術は狂ってますよね」

「そうね。13区の武器工場。一般販売されてる拳銃の材料がこんなものなんて、ここで働いてる人ですら知らないでしょうね」

 清掃員は下を見ることもなく、まっすぐ目的地だけを見つめる。目下の光景は既に知っていた。

「これってあれですよね。13区の確か…『プルート』って環が運営してる牧場の豚…くさっ」

 丸々太った生き物が、ベルトコンベアに乗って次々運ばれている様子を眺めている。覗き込んだ際、鼻孔に直撃した。古い血のような香りと強烈な消臭剤の香り。手足の長さが異様に短く、自分ではもうほとんど動けない、動かない。ギャーギャー鳴く、それ。歪な形をしているが、それは確かによく知っている生き物だ。街中に溢れかえっている。

「そうね。あれは豚。知性が無いんだから、人ですらない。ただの豚。哀れよね。遺伝子から、頭の中まで弄られて」

 後輩には見えないが、彼女の目はゴミを見るような蔑みがあった。豚に対する嫌悪か、この技術に対する嫌悪か、それとも両方か。

「牧場のスタッフも、まさか人間育ててるなんて思ってないですよね。よく見るとちゃんとキモいな…ホントに人間かぁ?」

 製造ラインはとても広く、徒歩で渡りきるのも中々の時間がかかる。歩きながらでも、じっくり見る余裕がある。

「清掃に行ったことあるわよ。牧場なんて銘打ってるけど、雰囲気の明るい牢屋ね。逃げる心配もないから木製の檻で管理されてて、中は15区映像技術で豚に見えるように投影されてる」 

 後輩の疑問に答え過去の記憶を振り返る。声は普段通りを装っているが、表情は険しい。

「牧場の清掃って何やったんですか?」

「スタッフが豚と接触したの。あんなのを身近で見たから、そのまま狂ったのよ。当然、悪魔が起動して、牧場は大惨事。プルートのサーバーが悪魔を片付けたけど、後処理は掃除屋が担当した。って流れね。スタッフの多くがひき肉に加工されてたわ」

「豚を見ただけで起動するって、表の人間の脆弱性がよくわかりますね。あと、牧場ではひき肉に加工しないんですよ、普通」

「知ってるわよ」

 4区の悪魔契約は不安定な技術である。どこでも起動する危険性を秘めている。

「4区の技術、何とかならないんですかね。あれたぶん、他の塔も手を焼いてますよ」

「私に言われても…定着した塔の技術は塔自身にも変えられない…って言ってたわ」

「誰が?」

「解体師さんが」

 解体師の名前が出ると、後輩は目を細めて小声で吐き捨てる

「またあいつか、ーーーくせに」

「何か言った?下のコンベア結構うるさいから、声張ってくれないと聞こえないわよ」

「あぁ、いえ、なんでもないです。しかし、東京の人間に巣食う狂気に反応して、悪魔が出てくるのは欠陥技術すぎますよ」

 何事もなかったように明るく返事をして、清掃員の後ろをちゃんとついていく。

「だから、厳正に管理された社会が組み上がったんでしょうね。ほらやっと目的地よ」

「後でこれ戻るの?嫌すぎる」




 解体師は事務の手伝いが長引いているようで、まだ執務室に居ない。代わりに学生の横に座っているのは清掃員の後輩である。

「レベルってあるけど、具体的なレベルの強さが分からない」

 タブレットの資料に目を通している。頻出するレベルという概念。彼女の生活環境では身近にないため、感覚が掴めないでいた。

 静寂。

「…基本的に、強さに使われてサーバーが基準に設計されてるな」

 そのボヤキに、ゲームをしている収集家も、その隣で見学してる清掃員も、所長机の虫も、誰も反応しない。隣に座ってしまった後輩が渋々答える。いつもは解体師の役割だ。

「じゃぁ、門の人達とかサーバーじゃない人達は?」

「推定レベルが使われる。サーバーで言えばこんくらい強いかなーみたいな感じ」

「じゃぁ、サーバーの強さが分かれば、レベルでどれくらい強いかが分かるんだ?」

「そういう事。と言っても、これもかなりふんわりしてるんだけど、例えばレベル1は一般人より強い」

 後輩の例えを受け、天井を見上げてから疑問を一つ。

「清掃班の人達は皆レベル1?」

「いや、清掃班のほとんどはテイカーですらないから、一般人。レベルすら適用しないんだ」

 意外そうな表情で、目を細める。色んな清掃員の話を聞いたことがあるのか、思い返すように目をつむる。

「聞く限りすごく怖い仕事してるのに?」

「まぁ、俺たちの仕事は強さは求められてないし」

 なら、お前は弱いんだな。みたいな表情になる。彼女から警戒心が一気になくなったのが分かる。後輩はその表情に張り付けた笑顔で返す。

「ふーん、で、2は?」

「態度気になるぅ。2は優秀、3はめっちゃ強い、4は尋常じゃない、5は最高、スートは異常、スートアートは超常、そしてそれら全てを超越しているのが二人のジョーカーだね」

 学生と話すのが嫌になったのか、畳み掛けるように説明する。抽象的な表現だが、実際明確な基準はないため、感覚値なのは仕方ないところである。

「最高の上があるんだ?」

「全然最高じゃないよな」

「ジョーカー?」

「トゥルーとフォールスが居るって話だ」

「へぇ、その違いって何?」

「…さぁ?そもそもジョーカーは都市伝説。実在するかも怪しい話」

 事務の手伝いが終わったのか、執務室に帰ってきた解体師に学生が予想を口にする。

「解体師ってジョーカーなの?」

「ん?…だった。って言ったら信じる?」

「…あり得そう」

 解体師が試すように目を細めて笑う。学生は最近勉強して、何となくこの世界の構造を理解し始めている。解体師がジョーカーだったというのも、あながち嘘ではないのではないのかも。と考え込む。

「冗談だよ。ジョーカーは実在するけど、俺はジョーカーじゃない」

「そうなんだ?」

 その話を収集家の横で聞いていた清掃員。モヤモヤした様子で眉間にシワを寄せて目を細めていた。ジョーカーの話が出たあたりから、あからさまに機嫌が悪い。

「どうかした?清掃員ちゃん」

「いえ?解体師さんが良いなら別に」

「…別にって顔してないけどね」





解体士

普段はそうでもないが、仕事中の彼には慈悲の一切がなく、感情が見えない。


所長

てっぺんハゲの中年男性。人の話を全然聞いてくれないが寛容。


清掃員

赤毛の長髪で赤目の女性。解体士の血は落ちにくいので嫌い。


後輩

男性。清掃員の後輩で、清掃班の一人。グロ耐性低め。


事務

ロングスカートの女性。真面目で仕事熱心だが、抜けてる所も多い。


収集家

右が蒼、左がエメラルドグリーンの瞳、白髮ボブ娘。ゲーム好きで口が悪い。ハッピーウィズバレットと呼ばれるレベル3元サーバー。


ペテン師

金髪青年。平然とした態度で何事もやり過ごそうとする。7区の元サーバー。死んだという噂があるが、名前は知られていないらしい。


箒使い

落ち着いた雰囲気を纏った年齢不詳の男。13区の武器である長柄、通称「箒」を巧みに操る。


罠師

ひ弱そうな金髪の青年。16区の機械技術を使った罠を使う戦闘スタイル。


学生

塔の管理下で学校に通う少女。週何度か放課後にやってきて収集家からもらった教材をベースに勉強をしている。


鼠耳の少女

鼠耳のカチューシャをつけた小柄な女の子。15区の空間技術を用いた空間ハッキング。通称、空間戦を得意とし、収集家の監視や管理下で映像の撮影、投影ができる実力者。


繋刃

元13区一門『首刈り』の錠。加速する刃を携え、東京の空を落とすことを目指した女。解体師曰く、キングに匹敵する実力者。3話で解体師の手によって解錠されている。


東京

かつて日本と呼ばれた国は、ある時から東京23区に区切られ統治されることとなった。

1区の技術により汚染された外界を遮断する巨大ショルターに日本は閉ざされ、完全な鎖国状態となっている。

外界とのアクセスも可能だが、かなり厳重なセキュリティと浄化、洗浄を経なければ出ることも入ることもできない。

区画毎に巨大な企業「塔」が治める人口過密国。

1区は巨大ショルター技術により、実質的な東京の実権を握っている。

2区は義体、3区は肉体改造、4区は悪魔契約、6区は超能力、7区は服飾、9区は空間移動、12区は遊戯、13区は武器、14区は記録、15区は映像、16区は機械、19区は快楽、20区は再現、22区は復元

それぞれの唯一無二の技術を持った「塔」が各区画を支配し、区ごとに独自の生活基盤が設けられている。

塔の管理下では人は不幸になることはなく、衣食住と職、娯楽が約束されている。

東京の管理から外れるとその全てが奪われることとなる。

36進数8桁の番号で人間を管理している。


テイカー

塔の技術で強化された人間のことを指す。基本的に同区の技術で強化されるのが一般的だが、別の区の技術を取り扱うところもある。


サーバー

面倒事の処理を担当する職業。試験に合格することで就ける。

塔が管理しているため、塔の許可の元に活動する。東京の管理から外れた人間の排斥や始末など、東京の管理システムの一部。

実力がある者はレベルが上がり、あらゆる待遇が良くなる。

サーバーになると塔のシステムとして扱われるため、塔の管理から外れ、衣食住、娯楽のすべてを失う。底辺では悲惨な人生を送ることになる。


レベル

あらゆる強度を指す言葉1〜5までで示され、数字が大きいほど高評価。


区内で塔の管理が行き届かない裏を牛耳る組織の総称。

東京の正規管理から外れると、門の管理下で生きていく必要性がある。

力ある組織が管理する地域を確保し、門を主張することで門として認知されるようになる。

門毎にルールは様々だが、東京の管理から外れると普通は門の管理下以外で生きていく術はない。

特に区内でトップの門を一門と呼ぶ。


Qube

14区が提供する記憶媒体。黒色の10-10-10の正立方体の箱。触れると青い光を走らせて幾何学模様が浮かび上がる。幾何学模様のデザインや箱の色、光の色は様々なバリエーションが用意されている。

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