幻想と現実の境界がゆらぐ詩的世界が、圧倒的な言語感覚で綴られています。内面の揺れ、季節の匂い、街の光と音が織りなす静かな狂気と優しさ。読む者の心の奥に、ゆっくりと風が通り抜けるような作品です。素晴らしい体験をありがとうございました。
毎話のはじまりの美しいポエムの並びにこころが踊ります。導かれてゆく秘密のストーリィと手を繋ぐ苦しさと、心地よさ。傷みを抱える魂のダンスを朝焼けのなかに、見た気がします。ため息をひそめながら、踊る作者とわたしという読者のむこうで朝焼けをバックにジンベエザメがゆうゆうと泳いでおりました。