街灯

口一 二三四

街灯

 週末の休み前は大体朝四時まで起きてるのが普通でその日もゲームしたりYouTube見たりして過ごしてたんやけど、夏終わってすぐぐらいで暑かったし当時クーラー故障してたから窓開けて風入れてたんよね。


 大体零時ぐらいまではそれで快適に過ごせてたんやけど一、二時ってなってくると流石に寒くなってきて閉めよう思て窓の方行ったんよ。

 そしたらまぁ当たり前やねんけど外の様子が見えて、街灯の下に女の人立ってたんよね。


 結構距離あるし部屋の二階から森に面した道路見下ろす感じやから昼間に人がおっても「なんか人おるな」ぐらいしかわからへんねんけど、その時は何故かハッキリ『女の人』ってわかって、それがすげー不気味やった。


 それで怖かったは怖かったんやけど「なんか起こるかも」って好奇心が勝ってしばらく様子眺めてた。

 これで『こっち見て笑った』とか『近づいてきた』とかあったらヤバい話として盛り上がってたんやろうけど全然そんなんなくてほんまただずーっとそこに立ってるだけやった。


 十分ぐらいかな?

 網戸に飛んでくる虫デコピンで弾きながら街灯の下の女の人観察してたけどいい加減飽きてきてもうええわって窓とカーテン閉めた。

 そのまま起きとく気分でもなかったし、もしかしたら電気消した後枕元に現れたりしてと思って布団敷いて寝ることにした。


 ドキドキしながら目をつぶったけどまぁ結局枕元にも夢にも現れんかったし金縛りすらなく朝までグッスリ。

 なんやかんやで怖い体験やから身の危険が無いのが一番やねんけど、なんかこう、めちゃくちゃ拍子抜けなオチやなーってのんきにカーテン開けたんよね。

 そこでようやく気づいたんよ。


 そもそも自分の部屋の窓から見下ろす範囲に『街灯なんて立ってない』って。

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