第16話 鎖国
俺は獅王を無理やり帰らせて俊と会話をしている。
「ちょっ響どういうことっすか」
「だから言っただろ、生物は暗記問題だろ家に帰ってひたすらに勉強するのが今は一番だって」
「でもあんな言い方をしなくても」
「あぁいうタイプ人は追い込まれないと勉強しないだろ、自分の点数をはっきりいえなかった時点でまだ覚悟ができてない証拠だろ」
「それはそうっすけど、悪い点数を他人には言いにくっすよ」
「それとさっきの交渉も俊の入れ知恵だろ」
「……そうっす、響にはバレバレっすか」
先に無理な要望を提示して、後から要望を下げて本来の要望を通しやすくるテクニックだ。
「なんでそんなことしたんだ、始めから勉強を教えてくれと頼まれても別に断らないぞ」
「確率は高いほうが良いじゃないっすか」
「なんでそこまで獅王にこだわるんだよ、別に俺たちには関係ないだろ」
「先輩にはサッカーで助けられたんすよ、その恩返しっすかね」
「優しいんだな、そのセリフを聞けただけで満足だ俺も本気で協力する」
「それはこっちのセリフっすよ響」
「やっぱり、テストで点を取るには過去問を手に入れるのが一番だと思う、俊なにか宛はあるか」
生物の先生は長い間変わってなかったはずだ全く同じ問題は出ないだろうが過去問を解けばある程度は点数が取れるだろう。
「仲が良いOB全員に連絡してみたっすけど流石に持ってる人は居なかったっす」
そうか誰か一人くらいは持っていると思ったんだけどな。
「じゃあまずはテスト研究部とらやにいくかやっぱり本業に聞くのが一番いいだろ」
「う〜ん、良いっすけどまともに相手しくれるか分かんないっすよ」
テスト研究部は鎖国状態なんだっけか。
「というかその部活は何をやってるんだよ詳しく教えてくれ」
「今は三年生と二年生だけの二人だけで構成されてるっす」
二人しかいないのか少ないな。
「一年生は居ないのか」
「毎年一回目の定期テストで見込みのある人をスカウトしてるらしいっす」
俺去年スカウトなんてされてないけど見込みなし判定かちょっとショック、一応学年一位を取ったの最初テストなんだけどな。
「テストいい点数を取るためだけに活動してるっす、今までの傾向から予測問題を作ったりしてるっす」
へぇ~そんなに一生懸命勉強をしてる人がいるのか感心するな。
「二年生の人はずっと三位だから少し荒れているっす」
そうなのか副会長のせいで一位を取れないから拗ねてるのか。
「とりあえず行ってみるか、動かないことには何も始まらないからな」
「それもそうっすね行きましょう」
知ってるか鎖国は黒船来航をきっかけに開国したんだぜ。
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