愛をこめて
昔、ある男が居ました
その男はとても得の高い男で
幸せに生きて、幸せに死にました
男の死体は男の得を利用しようとする何者かに盗まれてしまいました
盗人は幸せに生きました
でも人は死にます
次の人も死に
その次の人も
男の死体は何十年も色んな人や場所を渡り歩きました、でもいつか
いつかその死体を可哀想に思った盗人はその死体を家の庭に埋めました
小さなお墓も作られて
男はやっと休める場所を貰って
男は成仏しました
優しい盗人も幸せに死にました
その少し後
その庭を は気に入りました
誰かに入らせたくないのです
だからそこの周りは全て森にしました
それでも入ろうとする人は居ます
そのもっと周りも森にしました
壁があれば壊して
海があれば土を起こして
何度もそうすると
誰も森に入らなくなりました
その少し後
少し反省した は
森を広げるのをやめて
あまり人々に関わらず
その庭のある家に住む事にしました
そして は幸せに暮らしています
今も、この広い森の中心で
森に住む動物と一緒に
ps.
風鈴が冬だというのに吊り下げられている
しかも室内に、扉の近くに吊ってるから
そこを通る時にチリーンって鳴る
僕の知ってる風鈴はもっと音が短いんだけどな
錆びた銅みたいな色の風鈴
風を受ける帆が無くて
代わりに切ったハンカチを
見かけの為に付けてる
だから吊ってるだけじゃ全く鳴らない
たまに風鈴を見ながら妄想する
来年の風が良く吹く季節まで生きているだろうか
この風鈴は割れずに
ここに居続けてくれるだろうか
吊ってからまだ数か月しか経ってない
でももう生活の一部だ
風が強く吹くようになっても
帆を付けずに扉の前に吊るしておこうかな
そうしよう、来年になってもこうしておこう
OWARI
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