【あとがき】 願いを紡ぐ手のひらに
気づけば、四季をめぐり、二十四の物語を編み上げる旅になりました。
はじまりは、たったひとつの思いでした。
――「文様に込められた小さな願いを、物語にしたい。」
日本の伝統文様には、ひとつひとつに意味があります。
長寿を願う松、健やかな成長を祈る麻の葉、未来へ向かう青海波――
それらは、誰かが誰かを想い、
見えない未来にそっと手渡した、温かい祈りそのものでした。
この物語たちは、
大きな奇跡ではありません。
小さな出会い、小さな成長、小さな決意。
けれど、それらこそが、
人が生きる上でのかけがえのない「宝物」だと、私は信じています。
◇
文様は、時代が移り変わっても、静かにそこにあります。
まるで、目に見えないけれど、確かに続いていく心の道しるべのように。
今、あなたの手のひらにも、
きっと、目には見えないけれど、
小さな文様が刻まれていることでしょう。
それは、あなたがこれまで歩いてきた道であり、
これから歩いていく未来への、そっと結ばれた願い。
どうか、迷ったときには、
ふとこの物語たちを思い出してください。
そして、そっと微笑んでいただけたなら、
これ以上の喜びはありません。
◇
最後に――
この物語に出会ってくださった、すべての方へ。
心からの感謝と、
未来へのあたたかな祈りを込めて。
文様綺譚 二十四景(もんようきたん にじゅうよんけい) Algo Lighter アルゴライター @Algo_Lighter
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