レプリカヒロイン
白い羽はレプリカ
永遠の恋人は、静かに手を合わすヒロインであり
母という憧れを密かに生き映していた。
彼女はそれをキャッチして上手に演じてみせただけ
「俺のもの」はどこにもいなかった
この世に存在すらしなかった。
脳裏で笑う、あの笑顔は・・・彼女の得意なフィルム越しの笑顔
俺は暗くてせまい映写室で、そのチャプターをいつまでも見ていたかった監督にすぎない。
彼女は今はもう、何処かの国で違うヒロインを演じている
それならいっそ、別れさえも無かったのかもな。
あの人は俺の人形
あの人が俺の天使
俺には忘れられない
弱弱しくて儚くて、じゃじゃ馬のような少女時代を。
彼女がいたから才能を開放できた
狂おしいほどに自由だった。
たとえ期間限定の幸せだったとしても
君の瞳に僕を写し、唇を合わすたび
かけがえのない美しい色彩を感じることができた
もう二度と会えないと分かっていても。
俺は何度でも君にのぼせるだろう
だって俺は君に、永遠に片恋できるのだから。
傍に君がいてくれて良かった
君が俺の前に現れてくれた瞬間から、大樹は芽吹いた。
絶え間なく続くこの心拍数さえ煩わしく、粗末に扱ってきたけど
離れた時間に少しずつ大切にされてきたお陰で
ようやく自分の心臓も人並みに暖かいことを知った
この世に存在できる正式な理由に、気がつくことができたんだ。
俺は「それを知っている」と
心で忘れてきたけど、体で覚えてきたんだ。
支えられる安心感
与える優越感
狂おしいほどの独占欲
失う恐怖、失望。
怒り。情熱。
守りたいと、沸き上がる衝動と自己抑制、
・・・言うならば、これが愛。
じゃなければ生まれない。
愛じゃなければこの痛みは何?
もし俺がこの先君の刃になるのなら
俺は喜んでその刃を自らに突き刺さすね
其処からは二度と戻れないだろう。
偽りの聖母
その羽を広げて逃げたらいい。
どこまでも自由になってくれ
そうして二度と俺に捕まるな。
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